2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research on pathogenesis of DNA-highly methylated type colorectal cancer and the development of diagnosis and treatment methods
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19H03508
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石岡 千加史 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60241577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雅信 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (00447161)
高橋 信 東北大学, 大学病院, 講師 (20431570)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | DNAメチル化 / 大腸癌 / DNA高メチル化型大腸癌 / 薬剤抵抗性克服 / シグナル伝達異常 / 免疫学的微小環境 / 抗EGFR抗体薬 / miR-193a-3p |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、DNA高メチル化型大腸癌の発がんの分子機構と治療抵抗性の分子機構を解明し、抗がん薬の治療標的と治療感受性を予測するバイオマーカーの探索を行い、その結果から大腸癌とその他のがん種の治療モデルを提案することである。当初の計画に従って以下の3つの探索研究(研究1~3)を行う。特に初年度の平成31年度(令和元年度)度は研究1と研究3に特化して研究を進めた。 研究1.大腸癌組織の網羅的分子解析データの追加収集(200症例)と統合解析による腫瘍免疫微小環境や腸管環境を含む発がんおよび治療抵抗性の分子機構探索:文科省P-DIRECT研究で集めた患者97人由来大腸癌組織の全エキソーム、網羅的メチローム、網羅的遺伝子発現および網羅的miRNA解析データ(既収集)と治療歴のある新規患者200人の大腸癌組織の大腸癌関連遺伝子パネル、網羅的メチローム、網羅的遺伝子発現の追加解析を行った。現在、一部のデータの解析中だが、研究2のための分子解析データを整理し統合解析の準備中である。 研究2.大腸癌組織の網羅的分子解析データの統合解析によるバイオマーカーと治療標的の探索:今年度は研究1で既に得られた大腸癌組織の網羅的分子解析データの統合解析を実施中である。 研究3.大腸癌培養細胞株を用いた新規治療標的と耐性克服法の探索研究:大腸癌細胞株を用いて、DNA高メチル化型大腸癌細胞がオキザリプラチンおよび抗EGFR 抗体薬に対して治療耐性になる分子機構を検索した。その結果、miR-193a-3p発現が抗EGFR抗体薬の感受性に相関し、miR-193a-3p発現がPI3K-AKT経路の複数のタンパク質の発現を抑制し、その中に新たな抑制標的分子としてFOXO3AとATF2を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まだ研究成果を得るには至っていないが、研究計画にある「研究1.網羅的分子解析データの統合解析によるシグナル伝達異常や腫瘍の免疫学的微小環境や腸管環境を含めた発がんと治療抵抗性の分子機構の探索」、「研究2.大腸癌組織の網羅的分子解析データの追加収集とその統合解析による新規バイオマーカーと治療標的の探索」、および「研究3.大腸癌細胞株を用いたDNA高メチル化型大腸癌の薬剤抵抗性克服の治療モデル探索」の3本柱の研究計画はほぼ予定どおり着手している。特に大腸癌細胞株を用いた研究3で、大腸癌細胞が抗EGFR 抗体薬に対して治療耐性になる分子機構を検索した結果、miR-193a-3p発現が抗EGFR抗体薬の感受性に相関し、miR-193a-3p発現がPI3K-AKT経路の複数のタンパク質の発現を抑制し、その中に新たな抑制標的分子としてFOXO3AとATF2を同定した点が新規性が高く、現在、論文と学会発表を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
治療モデルを提案することが主目的であり、今年度は計画に従い研究1を中心に研究を進めた。次年度にその結果に基づき、研究2と研究3を進める予定である(計画どおり)。今後の研究の進め方としては、研究1の網羅的分子解析データの統合会席の基づき発がんや治療抵抗性モデル分子機構を見いだす。その結果に基づき、研究2として大腸がん治療のバイオマーカーと治療標的の探索を行うと共に、研究3として、大腸癌培養細胞株を用いた新規治療標的と耐性克服法の探索研究を計画通り開始予定である。問題点としては、研究3の培養細胞を用いた研究が研究1で得られた臨床研究の成果を適格に応用できるかどうかであり、この場合は倍王細胞に留まらず、動物(マウス)を用いて可移植腫瘍モデルを用いる研究に計画を変更する可能性がある。
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Research Products
(5 results)