2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of TIL culture method for tumor infiltrating T cell therapy for cervical cancer
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19H03520
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩田 卓 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30296652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大多 茂樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20365406)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腫瘍浸潤リンパ球 / 免疫療法 / 子宮頸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、OT-1マウスT細胞モデルを用いて、疲弊から回復するT細胞の活性化を改善する可能性のあるいくつかの候補化合物(TWS-119, Rubimaillin, Edaravone, DL-PPMP)をスクリーニングした。 その結果、3週間培養後、GSK3b阻害剤であるTWS-119がPCG1a経路を介してミトコンドリア機能を回復させることで、T細胞の疲弊状態が緩和され、腫瘍反応性が維持された。しかし、子宮頸がん組織から作製したTILsを用いた次の実験では、TWS-119の投与と高用量のIL-2刺激を併用しても、IL-2のみの投与と比較して改善は見られなかった。 TIGITは、いくつかの重要な免疫細胞に発現している抑制性の免疫受容体で、自己免疫、ウイルス免疫、癌などの分野で研究されている。TIGITを阻害することでCD266を介して抗腫瘍性T細胞の応答を高めることができる。 我々はTIGITモノクローナル抗体または抗PD-1との併用が、子宮頸癌組織から分離したTILに及ぼす影響を評価した。抗TIGIT抗体を投与すると、CD8およびCD4のT細胞の増殖が促進される一方、Treg濃度は低下した。CD8 T細胞の疲弊マーカーであるTIM3とLAG3の発現は低下し、CD8 T細胞の75%でミトコンドリア量が増加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TILの機能を改善する薬剤のスクリーニングが進んでいるとともに、TILの細胞障害活性を評価するための子宮頸癌オルガノイドの作製に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、まず進行中の実験として、TIL培養におけるIL7とIL15の効果を検討する。これらのサイトカインは、リンパ球減少に対応して非リンパ系から産生されるもので、IL-7はT細胞の増殖と生存に必要であり、IL-15はT細胞の増殖を維持・向上させる。現在TIL増殖に使用している IL-2はT細胞のエフェクター状態を終息させるため、最終的なTIL産物には疲弊したT細胞が大量に存在する問題点がある。IL-7およびIL-15によって、naiveなT細胞の生成につながる可能性がある。 さらに、子宮頸がんTILモデルを用いて、抗4-1BBの効果を検証する。高速拡大培養前のTILに抗4-1BBを作用させることで、TILの細胞傷害活性が高まることがメラノーマで報告されており、子宮頸癌のTILにおいても抗4-1BB抗体が機能向上に有効か検討する。
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