2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of breakthrough therapies against hyper lactic acid signaling in cancer immune microenvironment
Project/Area Number |
19H03529
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
井上 徳光 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80252708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 隆 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん創薬部主任研究員 (80359299)
日高 義彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40624713)
京 雪楓 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (70316123)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / 乳酸 / IL-23 / IL-17 / アルギナーゼ / M2マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、世界に先駆けて、単なる解糖系の終末代謝産物であると考えられていたがんから放出される乳酸が、がん周囲の異常な免疫環境を形成するのに関与する事を発見した。乳酸が、骨髄系細胞やマクロファージに働き、4つのシグナル経路を活性化することを明らかにしてきた。すなわち、乳酸イオンによる IL-23 産生依存的及び非依存的炎症誘導経路、乳酸とともに放出されるプロトンによる免疫抑制経路、乳酸とプロトンによるエピジェネティック変化である。2019年度は、岐阜大学耳鼻咽喉科のグループと共同で、解糖系の指標としてFluorine-18 fluorodeoxyglucose-positron emission tomography (FDG-PET)のパラメーターのうち、Glucoseの取り込み量の指標であるSUVmaxやSUVmeanと頭頸部癌組織に浸潤するマクロファージ(CD68陽性細胞)におけるM2マクロファージ(CD163陽性細胞)の比率 (CD68/CD163)を検討した。その結果、Glucoseの取り込み量の多いSUVmax (Standardized uptake value)やSUVmeanの高い群では、M2マクロファージの比率が有意に高いことが明らかになった。一方、腫瘍の大きさを示すFDG-PETのパラメーターであるMetabolic tumor volume (MTV)とは、関連は認められなかった。これは、解糖系の亢進が乳酸の産生を増加し、M2マクロファージへ誘導している可能性を示唆していた。今後、乳酸のM2マクロファージ誘導の分子メカニズム解明や、シグナル伝達経路、さらには、その他の腫瘍における乳酸とM2マクロファージとの関連性に関しても、研究を推進していくつもりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、代表者の異動があり、その準備を着実に進めてきた。そのため、マウスの立ち上げなどを行い、実際の研究をようやく起動に乗り始めたところである。2019年度に腫瘍内の免疫細胞を解析するために、Dissociatorも購入し、これまでのばらつきを一挙に解消できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、さらに、本プロジェクトの専属スタッフをリクルートすることが決定しており、実際に動き始めている。EPAC1によるHistone H3K27亢進メカニズムやIL23/IL17経路活性化メカニズムの解明を推進したい。EPAC1によるHistone H3K27亢進メカニズムに関しては、乳酸シグナルの中で、これまでIL23/IL17経路の活性化、Arginase Iの活性化によるT細胞の増殖抑制の経路を明らかにしてきた。新たな乳酸の作用として、我々は、乳酸によってHistone H3K27のアセチル化を亢進すること発見し、解析してきた。そこで2020年度は、EPAC1/EPAC2の個体レベルの破壊マウスを作成し、乳酸シグナルにおけるHistone H3K27の作用を検討する。IL23/IL17経路活性化メカニズムの解明に関しては、すでに、IL23プロモータ領域に2箇所の応答領域を同定している。そこで、本プロモータ領域の下流にEGFPを結合させ、全遺伝子を破壊できるCRISPRライブラリーを遊佐宏介教授より供与いただくことになっている。EGFPが発現誘導されないクローンをセルソーターで回収し、その細胞から、原因遺伝子を同定するプロジェクトを進める。さらに、2020年度は、臨床との共同研究では、泌尿器科と連携し、乳酸によるIL23/IL17経路の亢進やM2様マクロファージとの関連を解析する。
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[Presentation] BIOCHEMICAL AND GENETIC ANALYSES OF COMPLEMENT-RELATED FACTORS IN JAPANESE PATIENTS WITH HYPERTENSIVE DISORDERS OF PREGNANCY2019
Author(s)
Norimitsu Inoue, Reiko Neki, Katsuki Ohtani, Yoshihiko Hidaka, Kazufumi Ida, Tae Yokouchi-Konishi, Atsushi Nakanishi, Jun Yoshimatsu, Koichi Kokame, Nobutaka Wakamiya, Toshiyuki Miyata
Organizer
17th European Meeting on complement in Human disease
Int'l Joint Research
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