2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of chemoresistance-resistant signal mechanism of colon cancer liver metastasis
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19H03530
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
足立 淳 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, プロジェクトリーダー (20437255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長山 聡 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器外科, 医長 (70362499)
朝長 毅 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, 上級研究員 (80227644)
野村 大成 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 難治性疾患研究開発・支援センター, 研究リーダー (90089871)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大腸がん / リン酸化プロテオミクス / 化学療法耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
同一患者から経時的に採取された検体は遺伝的背景が均一であり、経時的なプロファイルの変動をとらえるのに適している。本研究では、肝転移を有するStage 4切除可能大腸癌患者のうち,初回肝切除(T1)および,術後再発した再発肝転移(T2)が切除可能であった24症例から、肝転移巣および対照部位として、肝実質組織を採取した。24症例のうち、6症例は初回肝切除後、化学療法を受けずに再発した症例(NT群)であり、残り18症例は術後補助化学療法後に再発を認めた症例(AdjCTx群)であった。 各検体から、タンパク質を抽出し、プロテオーム解析用およびリン酸化プロテオーム解析用に試料を調製し、LC-MS/MSを用いてタンパク質およびリン酸化部位の定量データを取得した。同定数はそれぞれ5812タンパク質及び23689リン酸化部位であった。 患者毎に化学療法前後でのタンパク質およびリン酸化部位のデータの経時変化データを抽出し、キナーゼ活性を予測する手法 (PTM-SEA法: PTM Signature Enrichment Analysis) を用いて、化学療法前後でのキナーゼ活性変化を推測した。その結果、AdjCTx群とNT群を群間比較すると、AdjCTx群において特異的に活性化が予測されたキナーゼ群を認めた。 次にAdjCTx群患者を対象に、リン酸化部位毎に、化学療法前後でのリン酸化変動レベルと予後(Post recurrence OS)との相関分析を行った。PTM-SEA解析で活性が予測されたキナーゼのうち、いくつかのキナーゼは、キナーゼ自身の特定のリン酸化部位が、予後と相関を示していることが分かった。その中には、タンパクの変動レベルは予後とは相関せず、リン酸化レベルでのみ相関関係を認めるキナーゼも存在することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた19症例から24症例に解析数を上積みし、プロテオミクス解析を遂行することができた。また2年目に予定していたインフォマティクス解析も一部前倒しで行い、化学療法後に活性化しているキナーゼ群の同定につながった。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体のリン酸化情報を解析することで見つかったキナーゼについては、化学療法に対する薬効予測マーカー 、新規治療標的となる可能性があることが示唆された。今後、肝転移巣の免疫組織染色による検証、活性化しているキナーゼ、DNA損傷修復因子等の治療標的候補因子について、阻害剤、遺伝学的スクリーニングを用いて化学療法耐性細胞において細胞増殖抑制効果がみられる候補をスクリーニングする。対象数が多い場合は、耐性化に伴う変化の大きさ、これまでに分子標的候補として知られているか、阻害薬が入手できるかを考慮して、対象数を絞ってからスクリーニングを行う。
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