2022 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of neural transitory dynamics behind cognitive rigidity in autism and intervention with dynamic brain stimulation methods
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19H03535
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 喬光 東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 准教授 (10710767)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 非侵襲的神経刺激 / 認知の硬直性 / エネルギー地形解析 / 脳活動駆動型神経刺激法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、常にダイナミックに変化する脳神経活動状態の変化をほぼリアルタイムに同定し、それに基づいた非侵襲的神経刺激をすることで自閉スペクトラム症当事者の認知的硬直性を緩和させることにある。 この目的のために我々はまず、脳活動依存型脳刺激装置を開発した。結果、認知の柔軟性を支配する3つの前頭前野領域の役割を明らかにすることに成功した。さらに、神経活動が行動や認知に及ぼす影響は、周囲の神経活動の履歴に左右されるということも明らかにした。これらの結果は、国際総合科学誌に掲載された(Watanabe, eLife, 2021)。 またこの開発過程で、エネルギー地形解析の元となっているペアワイズ最大エントロピー法を新たなタイプのヒトの行動へ適用することにも成功しており、その成果も国際学術誌に掲載された(Watanabe, Hum Soci Sci Comm, 2020)。 次にこれらの成果をもとに、高機能自閉スペクトラム症当事者の認知的硬直性を制御することができるか否かを実験的に検証した。十二週間の刺激期間、約2ヶ月のwash out期間、十二週間のコントロール刺激期間からなるこの縦断実験は四十人以上の被験者を対象に実施された。その結果、ある特定の脳神経ネットワークの活動に時間依存的に介入することで、自閉スペクトラム症当事者に認められる認知の硬直性、感覚の硬直性、非言語情報の非定型的処理のいずれにも変化を惹起できるということが明らかになった。さらに、そのような反応には時間的な差があるという事実も判明した。この結果は現在投稿中である。 これらの研究と並行して、同様の解析がADHDを合併する高機能自閉スペクトラム症当事者にも適用できるか否かの予備的検討も行い、合併症例固有の神経ダイナミクスと神経刺激による介入すべきポイントを突き止めた。この結果も現在投稿中である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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