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2020 Fiscal Year Annual Research Report

脊髄運動ニューロン固有のRNA制御プログラムとALS病態の関連

Research Project

Project/Area Number 19H03543
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

矢野 真人  新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20445414)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小野寺 理  新潟大学, 脳研究所, 教授 (20303167)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
KeywordsRNA結合蛋白質 / HITS-CLIP / 運動ニューロン / ALS
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、運動ニューロンに特徴的な発現を示すRNA結合蛋白質を選別し、得られたRNA結合蛋白質を機能解析をする事で、脊髄運動ニューロン固有のRNA制御プログラムを解明し、その生理的機能及びALSなどの運動ニューロン病の病態との関連性を明らかするものである。我々は、これまで約1500種類存在すると言われるRNA結合蛋白質の中で、Qki5蛋白質が運動ニューロン特異的な発現を示す唯一のRNA結合蛋白質であることを見出した。次に、我々が行ってきた生体内RNA結合蛋白質機能解析戦略である1塩基解像度の蛋白質-RNA相互作用マッピング解析HITS-CLIPとRNAシーケンス技術にマウス遺伝学を組み合わせた解析を実施し、脊髄運動ニューロン固有のRNA制御プログラムを解明し、Qki5の生理的機能及び病態との関連性の解析を進めている。これまでに、発生段階および成体の脊髄における免疫組織学的解析を行い、Qki5蛋白質が神経細胞の中で運動ニューロンにおいてのみ発現する特徴的な発現パターンを有していることが明らかとなった。さらにヒトiPS細胞由来神経細胞を用いたシングルセルトランスクリプトーム解析を行ったところ、免疫組織学的解析で得られた特徴的なパターンと一致し、Qki5の発現は、運動ニューロン特異的分子isl-1遺伝子と同じクラスターに存在していることが明らかとなった。さらに、Qki5のHITS-CLIP解析およびQki5をノックダウンさせた運動ニューロンを用いたトランスクリプトーム解析を実施し運動ニューロン固有の標的下流RNA群の探索を行い、新たなQki5の標的遺伝子群や新規のCryptic exonの発見、また運動ニューロン変性と密接に関わる標的遺伝子群を同定することができた。運動ニューロン特異的CreドライバーマウスとQk遺伝子のコンディショナル欠損マウスを交配し、分子生物学的解析、組織学的解析および行動学的解析による表現型解析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでに、運動ニューロンに特徴的に発現するRNA結合蛋白質Qki5を見出し、免疫組織学的解析やトランスクリプトーム解析から、運動ニューロンにおけるQki5に着目することができた。また、マウスやヒトモデルにおける運動ニューロンや他のQki5陽性細胞によるRNAseq解析を実施することで、Qki5による運動ニューロン固有のRNAプログラムの実態が明るみになり、大きな成果が得たものを考えている。また、Qki5の運動ニューロン特異的コンディショナル欠損マウスの解析を用いた表現型解析では、生後1ヶ月目以降で運動ニューロン変性を示す事を明らかにし、イメージングマス解析も実施することができた。また、組織学的解析および行動学的解析においては、生後1年後以上のマウスの必要性などから、時間のかかる実験もあることから、おおむね順調に進展している。という区分を選択した。

Strategy for Future Research Activity

RNA結合蛋白質Qki5がどのような分子機序により運動ニューロンの機能維持と破綻に関わるかを解明するために、以下のように研究を進める。
1. 運動ニューロン特異的なQki5-RNA相互作用部位を同定、マウス運動ニューロン様細胞種であるNSC34細胞を用いて行う。胎生14.5日マウス脳を用いたQki5 HITS-CLIP データと比較しながら、運動ニューロン特異的なCryptic exonにおけるRNA 結合部位の同定や運動ニューロン特異的な標的RNAを抽出する。
2. 運動ニューロン特異的なトランスクリプトーム解析およびマウス運動ニューロン様細胞種であるNSC34細胞およびヒトiPS細胞由来運動ニューロンに対し、Qki5のsiRNAを導入した細胞から抽出したRNAや蛋白質抽出液を用いた、分子生物学的解析を行う。
3. Qki cKOの表現型解析について、Qki5の運動ニューロンにおける生物学的機能を解明するために、Qki cKOの分子生物学的解析、組織学的解析、行動解析を行う。特にALS病理や運動ニューロン病で見られる分子異常について、検討する。また、生後1ヶ月および生後1
年におけるHB9cre/+;Qkfl/flマウスではChAT陽性の運動ニューロンの脱落の検討も行う。さらに、1.2で明らかにしたQki5 の機能喪失によるRNA の代謝異常を介した分子シグナル経路に関する組織学的解析を行う。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] DGCR8-dependent efficient pri-miRNA processing of human pri-miR-9-2.2021

    • Author(s)
      Nogami Masahiro、Miyamoto Kazumasa、Hayakawa-Yano Yoshika、Nakanishi Atsushi、*Yano Masato、 Okano Hideyuki
    • Journal Title

      Journal of Biological Chemistry

      Volume: 296 Pages: 100409

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2021.100409

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 神経発生・疾患とRNA結合蛋白質2020

    • Author(s)
      矢野真人
    • Organizer
      日本生化学会北陸支部 第38回大会(招待講演)
  • [Presentation] 運動ニューロンにおける新規Olig2結合因子Obp2欠損マウスの表現型解析2020

    • Author(s)
      目黒 雄大、備前 典久、矢野 真人、矢野 佳芳、阿部 学、崎村 健司、竹林 浩秀
    • Organizer
      第63回日本神経化学会大会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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