2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the individualized custom-made therapy for food allergy with a novel biomarker
Project/Area Number |
19H03569
|
Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
稲垣 真一郎 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生体防御系内科部, 医師 (70637826)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 幸久 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40422365)
山本 貴和子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, アレルギーセンター, 医長 (40725115)
成田 雅美 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生体防御系内科部, 医師 (70313129)
大矢 幸弘 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, アレルギーセンター, センター長 (80392512)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 食物アレルギー / バイオマーカー / 尿中PGDM / プロシタグランジンD2 / 経口免疫療法 / オーダーメイド化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで食物アレルギーにおいては臨床的なバイオマーカーとして信頼しうる指標が存在していなかった。本研究では、食物アレルギーの即時型アレルギー誘発症状の新規バイオマーカーとして尿中PGDMに着目し、それが食物アレルギーの診断、治療効果判定に有用であることを検証した。尿中PGDMは、肥満細胞から分泌されるプロスタグランジンD2の尿中代謝産物である。種々の血中マーカーとは異なり、PGDMは尿中において長時間安定性を示し、非侵襲的、かつ採取のタイミングに時間的猶予があるため、自宅でも検体を採取できることが利点である。本研究では、この尿中PGDMが食物アレルギー即時型アレルギー誘発症状の客観的バイオマーカーとして有用であることを明らかにし、更には食物アレルギーの治療である経口免疫療法において尿中PGDMをモニタリングすることにより、治療効果判定に有用かどうかを検証することを目的とした。 本年度は最終年度として最終患者リクルートと観察データーのモニタリングを実施した。 国立成育医療研究センターにおいて、卵、牛乳、小麦の二重盲検食物経口負荷試験を行った患者39人を対象に負荷試験前と試験開始4時間後の尿中PGDMを測定したところ、負荷試験で症状が誘発された患者では有意に尿中PGDMが上昇していた。更に、経口免疫療法中の患者24人を対象に尿中PGDMを測定した結果、尿中PGDMが上昇しなかった患者では、脱感作状態を獲得して免疫療法の治療効果が高くなっていることが判明した。これらの結果から、尿中PGDMはアレルギー症状を非侵襲的かつ客観的に検知できることから、それを継続的にモニタリングすることによって、経口免疫療法の治療効果を評価できることを見出した。本研究の結果は、将来的に、経口免疫療法の摂取量の調整、増量や治療終了のタイミングなど治療のオーダーメイド化に大きく寄与するものと考えられる。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(4 results)