2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on diagnostic and treatment approach of intractable insomnia through elucidation of the pathophysiology of sleep state misperception
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19H03578
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
三島 和夫 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (40239223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹島 正浩 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (60778736)
榎本 みのり 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (60415578)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 睡眠-覚醒障害 / 睡眠状態誤認 / 精神疾患 / 不眠症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、慢性不眠症の治療抵抗要因の中で最も対応に困窮する睡眠状態誤認(Sleep state misperception; SSM)のリスク要因分析、臨床診断および治療法の開発を行う。本年度は、地域在住の15歳~74歳の500名(平均年齢36.6歳、男性179名)を対象として、主観的睡眠記録および腰部装着型活動量計FS-760による客観的睡眠パラメータの同時記録を行った。質問紙としては以下を実施した:不眠(AIS、SDISS)および眠気(ESS)、抑うつ(CESD、K6、GSS),睡眠状態(PSQI),朝型夜型(MEQ、MCTQ)、過覚醒HAS、QOL。FS-760の活動量データを我々が開発したアルゴリズムに投じ、客観的総睡眠時間(TST)、客観的中途覚醒時間(WASO)、客観的睡眠潜時(SL)を算出した。1)主観および客観的睡眠パラメータの関連性:TST(r=0.700 , p<.01)、WASO(r=0.141 , p<.01)、SL(r=0.266 , p<.01)のいずれにおいても主観的および客観的睡眠パラメータとの間には強い正の相関が認められた。2)主観および客観的睡眠パラメータの乖離:不眠群では非不眠群との客観的TSTの差分に比較して主観的TSTの差分が有意に大きく、客観的睡眠パラメータに比較して主観的睡眠評価が低いことが明らかになった。3)不眠症状と日中機能障害との関係:不眠群ではその他の2群に比較して、以下の日中機能(精神、身体、QOL)が有意に低下していた。4)TSTの誤認と日中機能障害との関係:TSTの誤認(主観と客観の差分)の平均±SDで3群に分類した。TSTの誤認が大きい(TSTを短く主観評価する)群では、その他の群に比較して、AISが有意に高得点であったほか、以下の日中機能(精神、身体、QOL)が有意に低下していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、原発性睡眠-覚醒障害および精神疾患に伴う二次性不眠症患者における睡眠データの収集が進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
十分な教師データを収集し、睡眠脳波の自動解析技術を援用することで、SSMのリスク要因を機械学習(ディープラーニング)によって抽出する。
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Research Products
(3 results)