2020 Fiscal Year Annual Research Report
Translational research of a 18F-labeled cation type myocardium perfusion imaging agent
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19H03595
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古本 祥三 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00375198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 雄朗 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (70506633)
高浪 健太郎 東北大学, 大学病院, 講師 (90447160)
進藤 智彦 東北大学, 医学系研究科, 講師 (80781294)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PET / 心筋血流 / フッ素18 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、心筋血流イメージングを目的として開発した18F-TAP-Xの臨床実用化を目指している。前年度は、標識合成装置FASTlab-Developerを使用して初めてカチオン性のホスホニウム化合物である18F-TAP-Xの標識合成に成功した。しかし、その放射化学的収率については臨床実用化の観点で不十分であった。そこで標識合成で使用する溶媒、フッ素化試薬、前駆体量、反応温度、反応時間をパラメーターとしてバッチ法にて種々の条件検討を行った。その結果、18F標識(変換)率は、条件の組み合わせによって約7%から68%の間で推移した。続いて収率向上を目指して、Sep-pak ACからの18F-TAP-Xの回収条件を検討した。その結果、整理食塩駅に少量のアスコルビン酸ナトリウムとエタノールを添加することで回収率を上げることに成功した。これらの結果を踏まえて、まずはマニュアル法で18F-TAP-X注射液を製造したところ、従来法と比べて比放射能は向上し、放射化学的収率は約2倍の値となり、合成時間は約10分短縮できた。この新輝合成法で製造した18F-TAP-Xをラットに投与し、体内全身分布及び心臓集積性を動物PETで確認したところ、従来合成法で得られた薬剤と同等のイメージング性能を示した。この製造条件をFASTlab-Developerに適用して18F-TAP-X注射液を製造した結果、全放射化学的収率は若干低下したものの、比放射能は2倍以上に向上し、標識合成時間は約3分の2程度に短縮できた。しかし注射液の詳細に分析したところ、無視できない量の未反応前駆体が含まれていた。そこでセミ分取HPLCを組み合わせた新規FASTlab-Developerシステムを構築し、HPLC精製をプラスした合成法で18F-TAP-X注射液を製造したところ、前駆体の含有量を10分の1以下に抑えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、PET用核種のフッ素18の非密封物質を用いた実験を行うが、その放射線管理区域を有する主たる実験施設建屋(RI研究棟)が老朽化のため、本年度の後半(11月以降)から急遽改修工事が行われることとなった。そのため、非放射性条件下で実験を可能な限り行い研究を進めたものの、計画していた実験をすべて実施することができなかった。また、コロナ感染症が拡大し、共同研究者を交えた実験が滞ったり、実験器具や材料の物流が滞ったりして思うように実験を進められなかった。したがって、研究課題全体の進捗としてはやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で説明したように、本年度は非密封放射性物質を扱える実験施設が改修工事を行うことになり、その工事期間は放射性物質を扱る実験はできないことが明らかとなった。またコロナ感染症の猛威を振るい共同研究者との実験が一部進められなかった。これらを勘案し、一部の実験は、予算の一部とともに次年度に繰り越して行うこととした。コロナ感染症の状況や改修工事の終了時期、そしてRI使用の許認可の推移をよく把握し、研究の着実な推進を目指す。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] L-type amino acid transporter 1 is associated with chemoresistance in breast cancer via the promotion of amino acid metabolism2021
Author(s)
Miku Sato, Narumi Harada-Shoji, Takafumi Toyohara, Tomoyoshi Soga, Masatoshi Itoh, Minoru Miyashita, Hiroshi Tada, Masakazu Amari, Naohiko Anzai, Shozo Furumoto, Takaaki Abe, Takashi Suzuki, Takanori Ishida, Hironobu Sasano
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Journal Title
Scientific reports
Volume: 11
Pages: 1
Open Access
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[Journal Article] Skp2 dictates cell cycle-dependent metabolic oscillation between glycolysis and TCA cycle2021
Author(s)
Jing Liu, Yunhua Peng, LE Shi, Lixin Wan, Hiroyuki Inuzuka, Jiangang Long, Jianping Guo, Jinfang Zhang, Min Yuan, Shuangxi Zhang, Xun Wang, Jing Gao, Xiangpeng Dai, Shozo Furumoto, Lijun Jia, Pier Paolo Pandolfi, John M Asara, William G Kaelin, Jiankang Liu, Wenyi Wei
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Journal Title
Cell research
Volume: 31
Pages: 80-93