2019 Fiscal Year Annual Research Report
Revertant mosaicism in autoinflammatory skin diseases
Project/Area Number |
19H03679
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
乃村 俊史 北海道大学, 大学病院, 講師 (50399911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 宏 北海道大学, 医学研究院, 教授 (00146672)
武市 拓也 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30754931)
秋山 真志 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (60222551)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自己炎症性疾患 / revertant mosaicism |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自己炎症性皮膚疾患におけるrevertant mosaicismの発生機構を解明するものである。Revertant mosaicismとは遺伝性疾患の病変部から病因変異を消失した細胞が発生し、病因変異(+)と(ー)の細胞がモザイクになった状態のことである。遺伝性疾患における「自然治癒現象」のメカニズムが解明できれば、人為的に病因変異を消失させることで根治的な治療法の開発につながる可能性がある。 本研究では、自己炎症性皮膚疾患患者の皮膚に臨床的・組織学的に自然治癒した部位を同定し、その自然治癒部の表皮を採取してDNAを抽出し網羅的SNP解析を行ったところ、2/3の検体でloss of heterozygosityが検出され、体細胞組換えで治癒していた。相同組換え誘導機構を調べるために、Tet-Onシステムを用いて、標的タンパク質をドキシサイクリン依存性に発現する細胞株(野生型1種、変異型2種)を樹立した。それらの細胞株を用いて、変異タンパク質発現によりDNA二重鎖切断が増加するかγH2AXをwestern blotにて定量し検討したが、直接的な増加は検出されなかった。次に、放射線照射やエトポシド添加によりDNA二重鎖切断を誘導し、その修復の際の相同組換え頻度が増加するか53BP1やRPA2のリン酸化を定量し検討したが、増加は認められなかった。 これらの結果から、変異タンパク質は直接的にDNA二重鎖切断を増加させず、DNA二重鎖切断の修復機構において非相同末端結合よりも相同組換えが選択されやすくなる状況を作るわけではないと結論づけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験に使用する細胞株の樹立が完了し、変異タンパク質がDNA二重鎖切断の直接的な増加や修復経路異常をきたすわけではないことを立証できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、変異タンパク質が内因性DNA二重鎖切断の主因であるreplication stress応答にどのように関与しているか解析を進める予定である。また、自己炎症性皮膚疾患全般で相同組換えによるrevertant mosaicismが多発しうるのかどうか、臨床的な側面からも検討を進める予定である。
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Research Products
(4 results)