2019 Fiscal Year Annual Research Report
The analysis of SSc pathogenesis utilizing 9 strains of new murine models
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19H03680
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅野 善英 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60313029)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 全身性強皮症 / Fli1 / B細胞 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
1か月齢、3か月齢、6か月齢、12ヵ月齢のB細胞特異的Fli1欠失マウス(Fli1 flox/flox; Cd19-Cre +/-)およびその対照マウス(Fli1 +/+; Cd19-Cre +/-)の皮膚組織、肺組織、脾臓由来B細胞を用いてトランスクリプトーム解析を行った。強皮症様の症状が出現する時期(1か月齢)に一致してB細胞の活性化が生じ(増殖関連遺伝子の発現亢進、IL-6の産生亢進)、続いてマクロファージが活性化されていることが明らかとなった(M2マクロファージへの分化も確認)。この事実から、少なくとも強皮症の症状を誘導する上でB細胞の活性化とそれに続発するマクロファージの活性化が重要である一群が存在することが示唆された。この知見を発展させるべく、B細胞とマクロファージの相互作用についてin vitroの実験系で解析を進めている。一方、単球・マクロファージがprimaryに活性化される骨髄系細胞特異的Fli1欠失マウス(Fli1 flox/flox; LysM-Cre +/-)、Th17/TregバランスがTh17にシフトするTreg特異的Fli1欠失マウス(Fli1 flox/flox; Foxp3-Cre +/-)、および各マウスの対照マウス(Fli1 +/+; LysM-Cre+/- or Fli1 +/+; Foxp3-Cre +/-)についても、1か月齢、3か月齢、6か月齢、12ヵ月齢でトランスクリプトーム解析を進めており、マクロファージがprimaryに活性化されることにより強皮症様症状が発症する一群、およびTh17/Tregバランスの異常がprimaryに生じることにより強皮症様症状が発症する一群における初期の病態について、明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
強皮症様の病態を発症するマウスにおける初期の病態における特徴的な変化を捉えるのが初年度の目標であったが、B細胞特異的Fli1欠失マウスにおいて、B細胞の活性化とそれに続発するマクロファージの活性化を捉えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
B細胞とマクロファージの相互作用において重要役割を果たしている分子を同定することを目標とする。また、骨髄系細胞特異的Fli1欠失マウス、制御性T細胞特異的Fli1欠失マウスの初期の病態についても同様の手法で研究を進める。血管内皮細胞特異的Fli1欠失マウス、gamma delta T細胞特異的Fli1欠失マウス、脂肪細胞特異的Fli1欠失マウス、表皮細胞特異的Fli1欠失マウス、巨核球特異的Fli1欠失マウスについても、今後同様にトランスクリプトーム解析を進める予定である。
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