2019 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analyses of enzymatic activity- and complex formation-dependent roles of UTX in the regulation of hematopoietic stem cells and development of hematopoietic diseases
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19H03693
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
本田 浩章 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40245064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
世良 康如 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40836532)
本田 善一郎 お茶の水女子大学, 保健管理センター, 教授 (70238814)
中田 雄一郎 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (90793430) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / ヒストンメチル化・脱メチル化 / UTX, UTY / ヒストンH3K27 / COMPASS-like complex / 造血幹細胞 / 造血器腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
この申請では、定常時では正常UTX(wild-type UTX, UTXWT)を発現し、誘導可能に脱メチル化活性を欠失したUTX変異体(demethylase dead UTX, UTXDD)、またはCOMPASS-like complexとの結合ドメインであるTPRドメインを欠失したUT変異体(delta TPR UTX, UTXΔTPR)を発現するマウス(以後UTXWT/DDマウス、UTXWT/ΔTPRマウスと呼称)を作製し、造血幹細胞機能や造血器腫瘍発症におけるUTXの脱メチル化活性依存性、非依存性の役割を明らかにすることを研究目的とする。また、UTXのY染色体相補体であり、脱メチル化活性を欠くUTYの機能欠失マウスも作製しUTX/UTYファミリーによる造血系制御の全体像や男女差の解明も試みる。 今年度は、UTXWT/DDマウスおよびUTXWT/ΔTPRマウスについて、ゲノム編集を用いた遺伝子改変マウス作製により、genotypingで各々複数のラインを得た。現在、各ラインについて、正常マウスとの交配により目的変異alleleの生殖細胞系列伝達の確認を行なっている。 また、UTYのKOマウスについても、ゲノム編集を用いた遺伝子改変マウス作製により複数のラインを得た。これらのマウスについては、目的変異alleleの生殖細胞系列伝達が確認された。UTY蛋白質の欠失の確認について、抗UTY抗体はcommercialのものでは良い抗体がない(特異性の高いものはヒトUTYのみ認識しマウスのUTYは認識しない、またマウスUTYを認識するものは相同性が高いマウスUTXも交叉によりで認識してしまう)ため、マウスUTY特異的アミノ酸配列をepitopeとして、現在独自に抗体を作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム編集の方法を用いて、定常状態ではUTXWTを発現し、誘導可能にUTXDDまたはUTXΔTPRを発現するマウスを作製する目的で、まずUtx遺伝子のintron 4に正常UTX(UTXWT)cDNAをexon5とin-frame fusionしpAを付けloxPで挟んだものと、その下流に脱メチル化活性を欠失したUTX(UTXDD)cDNAまたはcompass-like complexとの結合ドメインであるTPRドメインを欠いたUTX(UTXΔTPR) cDNAをexon5とin-frame fusionしpAを付けたコンストラクトを作製した。このコントラストの5′側に約2kb、3′側に約2kbのアームを付けたものをreplacement double-strand DNAとして、intron4の標的配列に対するcrRNA, tracrRNA, Cas9蛋白質と共にB6マウスの受精卵前角にマイクロインジェクションを行なった。1000個以上の受精卵にインジェクションを行い、現在までPCRによるgenotypingで、UTXWT/DDマウスについては3ライン、UTXWT/ΔTPRマウスについては2ラインのマウスが得られている。 UTYKOマウスについても、ゲノム編集の方法を用いてUtyのexon7に対するcrRNAをtracrRNA, Cas9蛋白質と共にB6マウスの受精卵前角にマイクロインジェクションを行なった。PCRとシークエンスによるgenotypingの結果、フレームがずれているKOマウスラインが複数得られ、生殖細胞系列伝達も確認された。 今年度は、この課題の解析の対象となるマウスであるUTXWT/DDマウス、UTXWT/ΔTPRマウス、UTY KOマウスを得ることができた。今後造血幹細胞、造血器腫瘍を対象とした実験を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針としては、 1)まずUTXWT/DDマウスおよびUTXWT/ΔTPRマウスについてホモマウスを作製し、定常状態でUTXWTを発現していること、およびERT2Creマウスとの掛け合わせおよびtamoxifen投与を行い、誘導可能にUTXDDまたはUTXΔTPRが発現することを確認する。誘導可能にUTXDDまたはUTXΔTPRが発現していることが確認できたら、 2)骨髄および脾臓の造血幹前駆細胞解析を行い、造血幹細胞活性の変化について、競合的骨髄移植を行うことにより検討を行う。 3)造血器腫瘍発症に対する感受性変化について、白血病誘導ウイルスであるMOL4070を投与し、白血病発症率、白血病発症までの期間等について検討を行う。 4)UTXDDとUTXΔTPRによるメチル化変化を検証する目的で、造血細胞を抗メチル化H3K27抗体および抗メチル化H3K4抗体を用いた免疫染色を行い、UTXWTの結果と比較検討する。UTXの標的遺伝子が限られている場合にはglobalな解析では差が出ない可能性もあり、プロモーター・エンハンサーに特化したメチル化解析も併せて行う。またUTXDDがこの複合体に含まれるかどうかについて、UTXWTをコントロールとしてMLL3/4抗体を用いた免疫沈降により検討する。また、UTXΔTPRでUTXがCOMPASS-like complexから解離した際の複合体形成構成要素の変化および個々の構成蛋白質の挙動および安定性について、MLL3/4に対する抗体を用いた蛋白質複合体解析や構成蛋白質に対する抗体を用いた核内免疫染色により併せて検討を行う。
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[Journal Article] Discrimination of dormant and active hematopoietic stem cells by G0 markers reveals dormancy regulation by cytoplasmic calcium.2019
Author(s)
Fukushima T, Tanaka Y, Hamey FK, Chang CH, Oki T, Asada S, Hayashi Y, Fujino T, Yonezawa T, Takeda R, Kawabata KC, Fukuyama T, Umemoto T, Takubo K, Takizawa H, Goyama S, Ishihama Y, Honda H, Gottgens B, Kitamura T.
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Journal Title
Cell Rep
Volume: 29
Pages: 4144-4158.e7
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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