2019 Fiscal Year Annual Research Report
アレルゲン免疫療法のシングルセルおよびbulk遺伝子発現情報による病態解明
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19H03696
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野口 恵美子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40344882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 遼 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10743346)
渋谷 彰 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 教授 (80216027)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | bulk RNA-seq / single-cell RNA-seq / アレルゲン免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年可能となったシングルセルレベルの網羅的遺伝子発現解析(シングルセルRNA-seq)により、ターゲットとなる分子について事前に情報がなくとも、どの遺伝子が、どの性質の細胞に発現しているのかについての情報を得られるとともに、今まで知られていない未知の細胞についても検出可能である。 アレルゲン免疫療法については唯一根治が期待できる治療法であるが、どのような機序によりその効果が得られるのかについての全容は明らかとなっていない。本研究ではアレルゲン免疫療法の免疫応答の変化をシングルセル RNA-seqとbulk RNA-seq解析により検出することを目的としている。 2019年度はアレルゲン免疫応答前後のPBMCを使用してbulk-RNA seqを行った。方法としては治療前後の血液からPBMCを分離し、RNAを抽出後、NEBNext Ultra Directional RNA Library Prep Kit for illumina(NEB)を使用してライブラリ作成を行った。Next-Seq500 (illumina) でシークエンスデータ(ペアエンド)を取得した。得られたデータ(Fastq)をkallisto (Bray et al., Nat Biotech, 2016) を使用してマッピングと転写産物のカウントを行った。アレルゲン免疫療法の治療に良好に反応した群と治療反応不良群について、治療前後で発現変動が認められる遺伝子を検出する目的で、それぞれsleuth (Harold J et al., Nat Method, 2017)を使用して解析を行った。現在までに治療反応良好患者においてq<0.05の有意差をもって発現変動している遺伝子を複数検出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
bulk RNA-seqの解析は、治療反応良好患者と治療反応不良患者のペアサンプルで行い、治療反応良好患者においてq<0.05の有意差をもって発現変動している遺伝子を複数検出している。また、single-cell RNA-seqの予備的検討も2019年度に準備を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
Bulk RNA-seqについては、既存のSingle-cell RNA-seqのデータを使用し、deconvolutionによる細胞種類の構成比、細胞種類ごとの遺伝子発現プロファイルについて検討を行うとともに、アレルゲン免疫治療を受けている患者サンプルを使用したSingle-cell RNA-seqを行い、アレルゲン免疫応答の詳細な遺伝子発現プロファイリングに関連するデータの取得を行う。
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