2020 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on pathogenesis of pulmonary diseases due to nontuberculous mycobacteria using human genomic analysis
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19H03704
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長谷川 直樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (20198724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 誠 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (30317333)
西村 知泰 慶應義塾大学, 保健管理センター(日吉), 講師 (90348649)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺非結核性抗酸菌症 / 肺NTM症 / 肺MAC症 / モデルマウス / 気道上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
慶應義塾大学病院、複十字病院を中心とする関東近郊の医療機関の協力により、1,066名の肺 MAC 症患者コホートと対照群について世界で初めて本疾患のゲノムワイド関連解析を実施し、rs109592という一塩基多型(SNP)が発症リスクと髙い関連性を示したことを確認した。この SNP は、体内においてイオンやpH の調整に重要な役割を担う Calcineurin B homologous protein 2(CHP2)領域に存在していた。尚、2019年度、肺非結核性抗酸菌症の臨床検体を用いた遺伝子解析を実施する予定であったが、ヒュームフードが故障したため、中断となっていた。2020年度にヒュームフードを購入し、肺非結核性抗酸菌症の臨床検体を用いた遺伝子解析関連を再開し、研究を遂行した。 さらに、韓国サムスンメディカルセンターや米国国立衛生研究所との国際共同研究により、この遺伝的変異は、日本人集団のみならず、韓国人集団やヨーロッパ人集団においても関連していることを示した。 さらに、expression quantitative trait loci(eQTL)解析を行い、GWASによって同定したSNP(rs109592)の遺伝子型が肺のCHP2発現に有意な影響を与えることを示すとともに、肺MAC症の切除肺検体を用いてCHP2の発現を確認した。また、SNPのgenotype別の画像解析では、rs109592の「C」アレルが有意に結説・気管支拡張型と関連していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界で初めて本疾患のゲノムワイド関連解析を実施し、rs109592という一塩基多型(SNP)が発症リスクと髙い関連性を示したことを確認し、報告することができた(Genome-wide association study in patients with pulmonary Mycobacterium avium complex disease. Namkoong H, et al. Eur Respir J. 2021)。 2019年度、肺非結核性抗酸菌症の臨床検体を用いた遺伝子解析を実施する予定であったが、ヒュームフードが故障したため、中断となった。ヒュームフード購入・設置費も含めた、肺非結核性抗酸菌症の臨床検体を用いた遺伝子解析関連の物品費を2020年度に繰り越し、2020年度は研究を遂行することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスおよびヒトにおける気道上皮細胞を用いたin vitroモデルを作成し、MAC感染を行う。具体的には①マウスのクラブ細胞株であるC22細胞, ②ヒト肺胞上皮細胞株であるA549細胞、ヒト気道上皮細胞株であるBEADS-2B細胞, ③マウス・ヒト由来のALIで初代培養した気道上皮細胞を用いる。 さらに、MAC感染マウスモデルを作製する。具体的には雌性C57BL/6マウスにNTMの代表株であるMycobacterium avium subsp. hominissuis 104株を経気管投与し肉芽腫病変を含む病理像を評価する。 また、国際共同研究により、さらなる疾患感受性遺伝子を同定する。具体的には、韓国サムスンメディカルセンターや米国国立衛生研究所との国際共同研究により、この遺伝的変異は、日本人集団のみならず、韓国人集団やヨーロッパ人集団においても関連していることをtaqman SNP genotypingアッセイにより示したが、これらの検体を用いて、SNPアレイを進めていく。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Genome-wide association study in patients with pulmonary Mycobacterium avium complex disease.2021
Author(s)
Namkoong H, Omae Y, Asakura T, Ishii M, Suzuki S, Morimoto K, Kawai Y, Emoto K, Oler AJ, Szymanski EP, Yoshida M, Matsuda S, Yagi K, Hase I, Nishimura T, Sasaki Y, Asami T, Shiomi T, Matsubara H, Shimada H, Hamamoto J, Jhun BW, Kim SY, Huh HJ, Won HH, Ato M, Kosaki K, Betsuyaku T, Fukunaga K,他9名, Hasegawa N
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Journal Title
European Respiratory Journal
Volume: ー
Pages: ー
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Host Genetic Analysis of Pulmonary NTM Disease and Non-CF Bronchietasis.2020
Author(s)
Namkoong H, Omae Y, Asakura T, Ishii M, Suzuki S, Morimoto K, Yoshida M, Emoto K, Oler AJ, Szymanski EP, Matsuda S, Yagi K, Hase I, Nishimura T,他25名,Hasegawa N
Organizer
International Conference of American Thoracic Society.
Int'l Joint Research
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