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2020 Fiscal Year Annual Research Report

Role of microbiome on neutrophil recruitment in tissue injury

Research Project

Project/Area Number 19H03716
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

本田 正樹  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (80573609)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 日比 泰造  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (10338072)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords腸内細菌叢 / 好中球 / 組織修復 / 生体イメージング
Outline of Annual Research Achievements

組織修復過程における免疫機構を解明することは全ての外科手術において重大な課題である。近年、免疫システムの構築において腸内細菌叢が重要な役割を果たすことが明らかになってきているが、そのメカニズムについては不明な点が多い。好中球は組織損傷時、炎症をはじめとする自然免疫応答において生理病理学的に主要な働きを演じるが、同時に組織修復過程でも必須の働きをしている。本研究では生体イメージング法を用いて腸内細菌叢が炎症及び組織修復における好中球の動態・機能に与える影響を明らかにする。2020年度は主に以下の項目につき研究を行った。
1.腸内細菌叢除去マウスにおける肝修復過程の評価
肝臓に熱損傷を加え2光子励起顕微鏡で観察を行い、1)抗生剤投与マウスでは壊死物質の除去が遅延すること、2)好中球が壊死物質を貪食し、除去に貢献していること、3)抗生剤投与マウスでは 血管再生、コラーゲン組織の沈着が遅延する傾向にあることを見出した。
2.肝障害時好中球動態の変化
Flow cytometryを用いて広域抗生剤投与により血液・骨髄中の好中球の総数が減少することを見出した。さらに詳細な検討ではLy6Gint好中球、Ly6Ghi好中球ともに影響を受けている傾向が認められた。肝臓に熱損傷を加え2光子励起顕微鏡で経時的に4時間の観察を行ったところ、損傷部位への好中球集積は抑制された。
以上の結果より、広域抗生剤投与では血中・骨髄中の好中球数減少のみならず肝臓障害部位への好中球集積が障害され、組織修復過程が遅延することを示唆している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2光子励起顕微鏡による観察において、今回の研究では従来の接着固定法をさらに改良し、吸引型マウス固定装置を生体イメージングに動員した。新たな固定装置の導入で手技の習得に時間を要したが、肝臓、大腸の生体イメージングをより高精度に行うことが可能となった。生体イメージングは技術的にも繊細な手技が要求され、有意なデータを集積するのために時間がかかっている。

また、研究代表者はSPFマウス及び広域抗生剤投与でdysbiosisを誘発したマウスの腸管を生存下で直接観察し、組織損傷に対する腹腔内GATA6陽性マクロファージの応答及び修復過程(壊死物質の除去、血管再生)を解析した。好中球は腸内細菌叢の変化でその動態が影響を受けているような結果が得られているが、腹腔内GATA6陽性マクロファージは機能・動態ともに影響は受けていなかった。研究結果をもとに論文を作成し、現在投稿中(Nature Communications, under revision)である。

Strategy for Future Research Activity

1.腸内細菌叢除去マウスにおける好中球Phenotypeの検討
広域抗生剤による腸内細菌叢除去マウスを作成するにあたり、アンピシリン(1g/L)、バンコマイシン(0.5g/L)、ネオマイシン(1g/L)、メトロニダゾール(1g/L)、シプロフロキサシン(0.2g/L)を妊娠マウスの飲料水に混入する。抗生剤は子マウスの出生後から実験に用いる8週以降まで継続的に使用し、抗生剤入り飲料水は1週間おきに新しいものと交換する。申請者はすでに同モデルにおける腸内細菌が99.6%以上除去されることを明らかにしている。腸内細菌叢除去マウスの骨髄、血中における好中球数、Phenotypeをフローサイトメトリー、CyTOFを用いてSPFマウスと比較検討する。
2.2光子励起顕微鏡による観察
障害後設定した時間において2光子励起顕微鏡による観察を行い、組織損傷に対する好中球の応答及び修復過程(壊死物質の除去、血管再生)を経時的に解析し、さらにデータを蓄積していく。得られたデータより好中球の速度、Meandering indexを測定し、抗生剤投与マウス及びSPFマウスで比較検討する。
3.Luminexによるサイトカイン解析
定常状態及び肝障害6時間後に肝臓組織を回収し、サイトカイン発現を網羅的に解析する。抗生剤投与マウス及びSPFマウスを比較検討し、好中球動態に関する差異がどこに表れているかをより詳細に明らかにしていく。以上のデータを集積し、論文作成を行う。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 腸内細菌叢が腸管CX3CR1+マクロファージのバリア機構構築に与える影響2020

    • Author(s)
      本田 正樹、日比 泰造、Paul Kubes
    • Organizer
      第120回日本外科学会定期学術集会
  • [Presentation] 腹腔内GATA6+マクロファージの腸管修復における役割2020

    • Author(s)
      本田 正樹、日比 泰造、Paul Kubes
    • Organizer
      第57回日本小児外科学会学術集会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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