2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation and control of pancreatic cancer-stroma interaction by artificial cancer tissue construction
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19H03718
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関根 圭輔 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (00323569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 英樹 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70292555)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、これまでに間質を伴う正常組織の人為的再構成法を基盤として、日本人膵癌患者より分離したプライマリ膵癌細胞を用いて、膵癌微小環境を再現可能なヒトプライマリ膵癌オルガノイド作製法の開発に成功した。ヒトプライマリ膵癌オルガノイドはin vitroおよびin vivoにおいて高い抗癌剤耐性を示すことから、本技術は膵癌患者で見られる高い治療抵抗性を再現するための手法を確立したといえる。本研究では、膵癌の進展に必須と考えられる膵癌細胞と間質の間におこる相互作用を、申請者らが開発したヒトプライマリ膵癌オルガノイドを用いた人為的な癌間質の操作とその特性解析等により明らかにし、膵癌制圧のための膵癌細胞-間質相互作用の制御を試みる。 本年度はin vitroにおいてより癌細胞社会を再構成するための培養技術の開発を進めた、またヒトプライマリ膵癌オルガノイドを用いた薬剤スクリーニング系を構築した。再構成するための培養技術についてはオルガノイド作製後の培養手法について様々な条件・期間を検討し、これまでの技術では限定的な再現に留まっていた膵癌に特徴的な発達した管腔構造を再現することに成功した。これにより、膵癌細胞のヘテロジェネイティと間質との相互作用が再現されたと想定される。薬剤スクリーニング系については薬剤するクリーニングに耐えうるスループット性の向上のため、オルガノイド作製手法の効率化/簡素化を行い、実際に薬剤スクリーニングを実施することで、実現可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載したとおり、薬剤クリーニング等に耐えうるスループット性の向上およびオルガノイド培養手法の改良によるより高度な組織構築法の開発に成功しており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に開発に成功したオルガノイド培養手法の改良によるより高度な組織構築法を用いて、膵癌-間質相互作用によるヘテロジェネイティの創出とその治療抵抗性における意義の解明に向けた開発を進める。また、研究実績の概要には記載していないが、膵癌オルガノイドにおいて血管内皮細胞にヘテロジェネイティが生じることを見出しており、今後このヘテロジェネイティがいかに生成されるのか、またこのヘテロジェネイティの機能的意義についても検討を進める。また、癌オルガノイドにおいて癌微小環境における神経細胞が治療抵抗性に寄与することを端緒的に見出しており、培養・評価条件の検討を行い、神経細胞の役割についても解析可能な条件を検討する。
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Research Products
(12 results)