2019 Fiscal Year Annual Research Report
機能増強させた細胞由来のエクソソームを用いたcell-free血管再生療法の開発
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19H03739
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
濱野 公一 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60263787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森景 則保 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50335741)
上野 耕司 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30736070)
佐村 誠 山口大学, 医学部附属病院, 診療助教(4日/週) (30773402)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、幹細胞を市販の無血清培地で培養し、その培養液に含まれる成長因子と、その培養液のエクソソームに内包されている成長因子を測定することで、エクソソームに内包されている成長因子を解析した。エクソソームに内包されている成長因子の濃度を、エクソソームを単離するために、必要とした培養液の量で換算して、培養液中の成長因子とエクソソームに内包されている成長因子の濃度を比較すると、多くの成長因子は、培養液中で濃度が高い結果であったが、一部の成長因子は、エクソソームに内包されているものが高い結果を得た。 また、エクソソームの治療効果を検討するために、マウスの左大腿動脈を結紮して作製した重症下肢虚血モデルに対して、エクソソームを筋注投与した群と、生理食塩水を投与した群での血流をドップラーで比較すると、エクソソームを筋注投与した群における血流は、生理食塩水を投与した群よりも、優位に血流が回復した結果が得られた。 エクソソームの血管新生を高める方法として、幹細胞を低酸素条件で培養する方法を実施した。低酸素で培養した幹細胞由来のエクソソームと、通常の酸素濃度で培養した幹細胞由来のエクソソームに内包されている血管新生を誘導する成長因子と組織修復に関与する成長因子の濃度を測定すると、低酸素で培養した幹細胞由来のエクソソームでは、血管新生を誘導する成長因子と組織修復に関与する成長因子を、通常の酸素濃度で培養した幹細胞由来のエクソソームよりも多く含んでいる結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的であるエクソソームの血管新生能を高める方法として、エクソソームを分泌する幹細胞を低酸素で培養することが、有用な方法である可能性が高い結果で得られた為。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、幹細胞由来のエクソソームに内包されているmicroRNAを解析するために、低酸素で培養した幹細胞由来のエクソソームと、通常の酸素濃度で培養した幹細胞由来のエクソソームから、それぞれmicroRNAを単離して、microRNAアレイ解析を実施して、低酸素で培養した幹細胞由来のエクソソームに多く含まれるmicroRNAを探索する。 また、、低酸素で培養した幹細胞由来のエクソソームに多く含まれるmicroRNAが、どのような機序で血管新生を誘導するのかを解析するために、血管内皮細胞を用いたin vitro解析で、microRNAが標的とする遺伝子を同定することを目指す。そして、そのmicroRNAを内包されたエクソソームを作製し、マウス重症下肢虚血モデルに対する治療実験を行うことで、microRNAが血管新生を誘導するのか否か検討する。
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Research Products
(2 results)