2020 Fiscal Year Annual Research Report
外傷特異的なメモリー制御性T細胞免疫応答の解明と臨床応用への基盤研究
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19H03759
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
山川 一馬 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (50597507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50196474)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70301265)
藤見 聡 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター(臨床研究支援センター), 救急診療科, 主任部長 (70362720)
谷口 高平 大阪医科大学, 医学部, 講師 (70779686)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 制御性T細胞 / 外傷 / マスサイトメトリー / CyTOF |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究テーマの核となる細胞評価系はマスサイトメトリーCyTOF(cytometry by time-of-flight)である。2019年度の本研究実績として、40種を超える金属同位体標識抗体を用いた細胞内外のタンパク質を検出するCyTOF染色プロトコルの最適化に成功した。 2年目として、養子細胞移植を用いたtwo-hit外傷モデルによる検証を論文報告した(J Leukoc Biol. 2021;109(3):645-656.)。一次外傷によりプライミングされたTregは、二次外傷後により強い反応性を示した。二次外傷に反応し増幅したTregは免疫記憶マーカー(CD44hi, CD62Llow)を強く発現しており、Tregの一部がメモリーTregとして組織に定着し、外傷特異的な免疫記憶機能を持つことが分かった。メモリーTregの表現型解析をCyTOFを用いて多次元細胞解析を行ったところ、二次外傷に反応したメモリーTregではGITR、 CTLA-4、ICOS、Heliosといった特定のマーカー発現が増強されていることが分かった。外傷特異的なメモリーTreg誘導に関連する細胞内シグナル経路に関しては、野生型マウスで見られたメモリーTreg誘導反応は、MyD88経路抑制モデルでは再現され、MHCクラスII経路抑制モデルでは再現されなかった。すなわち、これら一連の外傷特異的なTreg誘導反応および免疫記憶反応は、MHCクラスII経路によるT細胞受容体シグナル経路が大きく関与していることが明らかとなった。 当初の予定通りの順調な進捗である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度(最終年度)は、外傷患者の臨床サンプルのマスサイトメトリー解析を行う予定である。その他、COVID-19に関しても本研究テーマである制御性T細胞に焦点した解析を始めている。
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