2019 Fiscal Year Annual Research Report
侵襲時再生治療に関する新たな発展:新規炎症増幅メカニズムの制御
Project/Area Number |
19H03760
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70301265)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉矢 和久 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (40379201)
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50196474)
入澤 太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (50379202)
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379203)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 侵襲 / 再生 / 長寿 / 幹細胞 / 細胞移植 / 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多臓器障害モデルにおいて主に血管内皮、腸管上皮をターゲットとした3種類(骨髄間葉系幹細胞、骨髄由来単核球細胞、腸管上皮幹細胞)の細胞移植を行い、各細胞移植法の有効性を新規炎症制御メカニズム、血管内皮構造変化、腸管上皮遺伝子発現の視点から詳細に検討することである。以下の3点に重点をおいて研究を進めている。①外傷、敗血症、two-hit modelの異なる多臓器障害モデルにおいて、骨髄間葉系幹細胞、骨髄由来単核球細胞、腸管上皮幹細胞の細胞移植が有効性を発揮するメカニズムとして新規炎症増幅バランス(Arid-5a/Regnase-1)への関与を評価する。②各侵襲モデルにおいて、骨髄間葉系幹細胞、骨髄由来単核球細胞、腸管上皮幹細胞の細胞移植を行い、血管内皮保護作用をグリコカリックスの形態、extracellular vesiclesの産生に注目して評価する。③各細胞移植による血管内皮、腸管上皮における再生・免疫応答遺伝子の発現変化をマイクロアレー法、メタボロームを用いて明らかにし、血管内皮、腸管上皮バリアとの関連を解明する。 1)再生応答、免疫応答指標としては、血中血管内皮前駆細胞、extracellular vesiclesの定量評価、インフラマソーム、Treg活性の評価をフローサイトメーターで行うために測定条件の設定を進めた。 2)新規炎症増幅メカニズム(Arid-5a/Regnase-1)はフロ―サイトメーターを使って単球上で解析するために条件設定を進めた。 3)走査顕微鏡解析による血管内皮グリコカリックスの評価法は確立し、多臓器障害モデルにおいてグリコカリックスが急性期から多臓器において脱落して血管内皮傷害が広範囲に見られることを見出した。骨髄単核球細胞移植はグリコカリックスの脱落を著明に抑制して内皮細胞保護作用を発揮した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の計画通り進んでおり、現時点での問題はない。
|
Strategy for Future Research Activity |
現状の研究スケジュールで進め、細胞移植法の有効性を新規炎症制御メカニズム、血管内皮構造変化、腸管上皮遺伝子発現の視点から詳細に検討する。
|