2020 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of the radiation management guideline of the contaminated patients acceptance in the nuclear disaster
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19H03762
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
長谷川 有史 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70404879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大葉 隆 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00814055)
佐藤 久志 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20254021)
佐藤 健一 滋賀大学, データサイエンス教育研究センター, 教授 (30284219)
保田 浩志 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (50250121)
井山 慶大 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50778694)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 原子力災害 / 放射線管理 / 福島第一原子力発電所 / 被ばく / 汚染 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、福島第一原子力発電所事故における汚染傷病者受入の経験を踏まえ、原子力災害時の汚染傷病者受入放射線管理も関する指針を提案する事である。成果物の送り手と具体的内容は、医療従事者に対する外部・内部被ばく管理指針、医療機関近隣住民向けの外部被ばく管理指針の2つである。2022年度前半までの研究実績を以下に記す。 1)海外・国内における汚染傷病者受入の現状調査 ①海外における放射線事故の汚染傷病者受入と法令の調査:韓国2施設、ロシア1施設の過年度調査に加え、2020年度はCOVID-19による渡航制限等を踏まえ、文献調査・当該組織のwebサイト・電子書簡等による情報収集を追加で行った。②国内における放射線事故の汚染傷病者受入と法令の調査:国内における汚染傷病者受け入れ施設の状況を調査するため、公開資料等を検索し、対象施設の公開資料から施設の設備情報を収集した。あわせて参考となる汚染傷病者受け入れ施設に出向き、大規模調査に必要な検討項目を抽出した、次に上記を踏まえたアンケート調査をインターネット利用して行い、結果を解析しで、学会発表した。 2)福島第一原子力発電所事故時に福島県立医科大学で受け入れた傷病者の情報取り纏め:本学の汚染傷病者受け入れ経験取りまとめのための学内倫理委員会の審査は終了し、傷病者に不利益が生じないように配慮しつつ解析対象者に個別にインフォームドコンセントを行った。その結果、電話で追跡可能であった対象者全員から調査研究への協力に同意頂いた。 COVID-19パンデミックの渦中であるため、以降予定している外部・内部被ばく線量分布のシミュレーションの具体的な計画と、その基礎となる放射線影響評価の方法に関する共同研究施設との打合せ等の多くはweb回線を利用したテレビ会議を用いて行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在もCOVID-19パンデミック状況に改善傾向は認められず、研究機関が医療機関であることを鑑みると、研究者の移動及び密集・密接・密閉環境での対面会議や実験実習が困難な状況にあることにはかわらない。上記1)①の追加調査、1)②の国内施設調査の終了は2021年度となり、医療対応の多忙を反映してか回収率は43.5%と必ずしも高値ではなかった。上記状況を加味して自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度前半以降は以下の研究に移行する計画である。 3)医療従事者の原子力災害時の汚染傷病者対応から受ける外部・内部被ばく線量分布のシミュレーション:多施設と連携して131I、137Cs等の線源を用いたモデルを作成し、以下の実測およびシミュレーションを行う。①医療従事者の原子力災害時の汚染傷病者対応から受ける外部被ばく線量分布の実測②医療従事者の原子力災害時の汚染傷病者対応から受ける外部被ばく線量のシミュレーション③医療従事者の原子力災害時の汚染傷病者対応から受ける内部被曝線量のシミュレーション。実測・シミュレーションともに生体を用いた実験系を用いる事はない。 4)屋外で汚染傷病者の診療を行った場合の住民への外部被ばく線量のシミュレーション:3)と同様に多施設と連携して131I、137Cs等の線源を用いたモデルを作成し、以下の実測およびシミュレーションを行う。実測・シミュレーションともに生体を用いた実験系を用いる事はない。 行動制限された現状で可及的最大の効果をあげるために、研究計画の修正と財源繰越の申請を行って対応している。2)については、直接対象者ご本人と連絡が付かない場合は、研究者所属のホーページに本調査の内容を紹介して、直接ご本人が対象となることを拒否できる機会を確保する。 研究結果は学会・論文等によるほか、Webページ等を利用して社会に報告してゆく。
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Research Products
(9 results)