2020 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive validation of circulating microRNA signatures for Moyamoya disease early detection as an epigenome blood biomarker
Project/Area Number |
19H03765
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊東 雅基 北海道大学, 大学病院, 助教 (10399850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 若樹 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (40421961)
佐藤 典宏 北海道大学, 大学病院, 教授 (50360912)
矢部 一郎 北海道大学, 医学研究院, 教授 (60372273)
数又 研 北海道大学, 大学病院, 講師 (60634144)
寳金 清博 北海道大学, 保健科学研究院, 特任教授 (90229146)
東海林 菊太郎 北海道大学, 大学病院, 医員 (70883164)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | もやもや病 / 発症素因 / 病態修飾因子 / 血漿microRNA / エピゲノム / RNF213 / 創始者変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の2年目にあたる2020(R2)年度は、前年度後期までに完了した全てのreal-time定量PCR用probe設計と微調整した測定機器を使用して、予定した全160名(もやもや病82名、比較対照者78名)の末梢血microRNA発現のreal-time定量PCRを実施した。17種類のもやもや病に特異的に発現すると先行研究で示したmicroRNAと、定量に必要な内部および外部標準となるmicroRNA7種類を定量するためのprobeを搭載したmiRCURRY LNA microRNA PCR custom arrayを用いて、最初にもやもや病患者群から選んだ32検体を用いてパイロット的に、microRNA発現定量PCRを実施し、予定した24microRNAのうち、15種の定量が可能であった。引き続き、残りの128検体の定量実験を進めたところ、PCRに使用した8枚の測定装置(real-time PCRアレイplate)間で、定量に必要な外部標準microRNA(cel-miR-39-3p)の測定値に、無視できないバラツキが生じていたことが判明した。すなわち、cel-miR39-3pのPCR測定値(Ct値)のプレート間誤差は2.0を超えており、無視できない誤差と考えられた。誤差を生じた原因の検討をおこなったものの、明らかな実験手順のミスなど、明確な理由の特定に至らず、改めて128検体全ての血漿total RNAの再抽出、精製、品質測定をやり直し、新たなreal-time PCRアレイを用いて、microRNA定量実験をやり直した。その結果、cel-miR39-3pのCt値のプレート間誤差は2.0未満の誤差におさまり、予定した検体全てのmicroRNA発現PCR定量完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度までに設計したカスタムアレイの性能確認実験において、PCR定量に必要な内部標準microRNA(6種類)とspike-in外部標準microRNA(1種類)の発現量に無視できないバラツキが生じていることが判明した。このため、microRNA抽出後の残余血漿、定量測定後の残余RNAの試料保存に必要な処理の一部を延期せざるを得なかった。測定機器の誤差修正を速やかに実施できるように、研究協力者、microRNA測定業者と調整を続けたが、2020年11月17日に、新型コロナウイルス感染症流行の影響で札幌市の警戒ステージが4となり、札幌市に限定してステージ4相当の特措法に基づく強い措置が講じられた。このため、研究代表者の伊東雅基が、常勤地の釧路市から、研究施設(札幌市)への往来を自粛せざるを得ず、実験の遂行に想定を上回る時間を要し、年度内に当初計画を完了させることが困難となったため、研究に遅れを生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の研究遂行の遅れに伴い、約5ヶ月程度の実験推進計画の遅れが生じた。令和2年度の研究で使用する予定であった実験試薬について、R3年度前期に一括発注することにより経費を節減することが可能となった。その分を、調整金による追加配分により、令和3年度予定のmicroRNA機能をより詳細に解析するための必要に充てることとし、研究推進の遅れを新たな成果の上乗せで取り戻す計画である。
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Research Products
(7 results)