2019 Fiscal Year Annual Research Report
An integrated Investigation of molecular mechanisms of initiation and progression of ossification of the spinal ligaments
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19H03775
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大川 淳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30251507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪瀬 弘之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (30615711)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 靭帯骨化 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の超高齢化に伴い、介護保険における特定疾病、すなわち後縦靱帯骨化症(以下OPLL)、骨折を伴う骨粗鬆症、変形性関節症といった運動器疾患に罹患する患者が昨今急増している。近年の分子生物学の進歩は、骨芽細胞、破骨細胞及び軟骨細胞に関する研究を飛躍的に進展させ、骨・軟骨代謝調節の理解に多大な貢献をもたらした。特に破骨細胞分化に関しては、骨細胞・骨芽細胞の発現するRANKLが必須であること、シグナル伝達因子TRAFや転写因子NFATc1、NF-κBなどにより調節を受けることなど画期的な知見が相次いで報告されている。しかしながら、骨形成に関しては、転写因子Runx2,Osterixが骨芽細胞の分化に必須であることが示されているが、未だ不明な点が多い。今回、申請者らは全く新たな視点から骨リモデリングの分子機構を研究すべく、OPLLに注目した。OPLLの骨化発生及び進展の機序及び高骨量の機序については、未だ全く不明である。OPLL進展のメカニズムについては、主として内軟骨性骨化によるものであることが組織学的に示されており、遺伝的要因、メカニカルストレス、外傷、内分泌的要因など様々な因子の関与が示唆されている。本研究計画はOPLLの骨化発生・進展のメカニズムについての基礎研究を完成し、OPLL発生・進展の予防に向けた治療薬への臨床応用に展開することを目的とした。 本年度はin vivoにおける外傷性脊椎靭帯骨化モデルの確立を行った。また、in vitroにて骨芽細胞株及び軟骨細胞株であるMC3T3-E1、ATDC5細胞を各々用い、外傷に関係する因子についてそれぞれ過剰発現及びノックダウンを行い、骨芽細胞・軟骨細胞の分化・増殖に対する影響について検討した。また、新たに骨化に関連すると考えられる遺伝子を骨芽細胞における網羅的な遺伝子発現の検討から2種類同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外傷性靭帯骨化モデルの確立に成功した一方で、実験に使用するアンチセンスオリゴの手配については遅れている。しかしながら、新たに骨化に関連すると考えられる遺伝子を同定し、すでにそれら遺伝子についての欠損マウスの作成・手配ができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初実験に使用するアンチセンスオリゴについては国外からの輸入を検討していたが、今後は国内からの納入を検討している。また、新たに骨化関連と考えられる遺伝子を見出したため、並行して解析を開始している。
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Research Products
(2 results)