2019 Fiscal Year Annual Research Report
浸潤性膀胱癌の病態を再現可能なマウスモデルの確立とその応用
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19H03790
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 恭 京都大学, 医学研究科, 講師 (00642406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 喬之 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (40734348)
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 浸潤性膀胱癌 / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
切除不能膀胱癌の治療成績は約30年も改善していない。その根本的な要因として真のドライバー遺伝子とその起源細胞が不明であることが挙げられる。どの遺伝子の変異が、尿路上皮のどの細胞に起これば膀胱癌が発生するのかが明らかになれば、臨床的には分子標的治療の開発が進み、基礎的には動物モデルの開発によって特に腫瘍免疫分野の研究の発展が期待される。実験責任者は膀胱癌マウスモデル研究に従事してきた経験と、多数例の膀胱癌患者の手術検体を有する環境を活かし、ヒト・マウス膀胱癌の種間統合エクソームシークエンスにより両者に共通の遺伝子変異を同定し、さらにはLineage tracing法によってマウス膀胱癌の起源細胞を同定することに成功している。本研究では、それらの成果に基づき、マウス膀胱癌の起源細胞選択的に当該遺伝子変異を誘導する手法を開発し、ヒト膀胱癌の臨床像を再現可能な新規のマウスモデルを樹立することを目指す。 昨年度はアデノ随伴ウイルス(AAV)の膀胱上皮への感染効率向上にHClによる前処理が有効であることを示し、論文報告した。(Hamada.A, et al. J Virol Methods. 2020)また、Krt5発現細胞特異的にTrp53変異とCas9を発現するKrt5CreERT2/+:Trp53+/Mut:LSL-Cas9マウスの膀胱内にPten・Kmt2cのsgRNA発現AAVを注入することで、膀胱内に腫瘍発生を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度、膀胱内に注入するsgRNA発現アデノ関連ウイルス(AAV)の感染効率向上にHClによる前治療が有効であることを示し、報告した(Hamada.A, et al. J Virol Methods. 2020)。また、Krt5発現細胞特異的にTrp53 point mutationを誘導した遺伝子改変マウスにおいて、Pten・Kmt2cのsgRNA発現AAVを膀胱内注入することで、発がんを確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、変異誘導遺伝子別の腫瘍発生率・マウス生存率を解析する。また、腫瘍を発生した遺伝子型のマウスに関しては、別のコホートを用いて腫瘍を採取し、ヒト膀胱癌との組織学的類似性の評価、遺伝子発現解析によるヒト膀胱癌各サブタイプとの比較を行う。我々はすでに化合物スクリーニングによってシスプラチン増感薬としてジスルフィラムやWee1 kinase阻害剤を同定している。これらの薬剤のin vivoでの効果を、上記で確立した膀胱癌モデルマウスを用いて検証することによって、本モデルの前臨床モデルとしての有用性を評価する。
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