2019 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科がん薬物療法後のがんゲノム・RNA解析による薬剤耐性の解明
Project/Area Number |
19H03795
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八重樫 伸生 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00241597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 純 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 部長 (00281684)
島田 宗昭 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40362892)
徳永 英樹 東北大学, 大学病院, 講師 (30595559)
石橋 ますみ 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (20821383)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 婦人科がん / 薬剤耐性 / がんゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
東北大学病院個別化医療センターおよび東北大学未来型医療創成センターにおけるクリニカルバイオバンクで集積した卵巣がん症例約200例(術前術後化学療法例を含む)のOCT包埋検体を用いて解析を行った。試験開腹手術を行って腫瘍検体を摘出、術前化学療法後に可及的腫瘍減量手術を行った症例のうち、術前化学療法が奏効した6例、術前化学療法が奏効しなかった6例、合計12例を解析対象とした。術前化学療法前後の腫瘍検体からDNAを抽出し、エキソーム解析を実施した。なお、治療開始前に採血した血液検体を生殖細胞系列の解析対照とした。現在、情報解析を行って、術前化学療法奏効例と非奏効例との間で比較検討し薬剤耐性に関与する候補変異を探索している。また、同一症例で化学療法の治療効果が異なる症例においては、原発巣、術前化学療法奏効部位、術前化学療法非奏効部位のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)切片を用いたエキソーム解析を行い、候補変異を探索している。 さらに、OCT包埋検体で保管している化学療法抵抗性が指摘されている明細胞癌20例(薬剤耐性:3例含む)、粘液性癌15例(粘液性癌:12例、転移性粘液性癌:3例)のエキソーム解析を行っており、情報解析を行い薬剤耐性と関連する候補変異を探索している。加えて、上記卵巣がん症例の血漿を用いたメタボローム解析を行い、東北メディカルメガバンクのコホート検体との比較検討、術前化学療法の奏効例と非奏効例との比較検討を行い、卵巣がんの診断、薬剤耐性に関連する候補代謝産物を複数同定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度と2020年度で腫瘍組織のエキソーム解析、RNA-seqを展開する計画であったが、上述のように、2019年度は主として化学療法抵抗性卵巣がんを用いたエキソーム解析を進めてきた。術前化学療法前後検体(奏効例:6例、非奏効例:6例)、化学療法抵抗性腫瘍である明細胞癌20例、粘液性癌:15例のOCT包埋検体を用いたエキソーム解析を行い、現在情報解析を行っている。 2020年度は前述のエキソーム解析の情報解析を進めつつ、OCT包埋検体を用いたRNA解析により腫瘍組織の発現解析を主に展開する。RMA抽出後のNGSデータ取得は密な連携を整えている東北大学未来型医療創成センターのクリニカルバイオバンクとの共同を中心に外注も考慮して効率的に進める。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に行ったエキソーム解析の情報解析を進め、化学療法抵抗性に関連する候補変異の探索を進めるとともに、エキソーム解析に用いた同一OCT包埋検体を用いたRNA-seqによる腫瘍組織の発現解析を効率的に展開する。並行して収集される化学療法抵抗性を示した検体集積を行って、エキソーム解析、RNA-seqを進めていく。 また、倫理申請を経て、既に集積されているFFPE切片の検体を用いた解析が可能となれば、化学療法抵抗性を示したEEPE切片を用いたエキソーム解析、RNA-seqを並行して進めていく。
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