2020 Fiscal Year Annual Research Report
Regeneration of the retina and optic nerve by use of retinal ganglion cells generated from human iPS cells
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19H03810
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
東 範行 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 感覚器・形態外科部, 診療部長 (10159395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 修治 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 部長 (20382856)
横井 匡 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 感覚器・形態外科部, 医師 (80514025)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 網膜神経節細胞 / Muller細胞 / iPS細胞 / ES細胞 / 移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
視神経は(網膜神経節細胞の軸索)にはさまざまな疾患があり重篤な視力障害を起こすが、再生医療研究は殆ど行われていない。 我々は初めて、ヒトやマウスのiPS細胞、ES細胞から、機能をもつ長い軸索を有する網膜神経節細胞を自己分化誘導させ、その純化にも成功した。さらに、これらの幹細胞からMuller細胞の作製にも成功した。網膜神経節細胞の軸索伸長や経路探索には、Muller細胞等のグリア細胞が関与していると思われ、既に軸索成長の促進を確認し、ケミカルメディエーターの検索を開始した。 本研究では、これらの細胞技術を用いて、動物への移植実験を含め、視神経の再生医療の可能性を探求することを目的とする。 iPS細胞・ES細胞由来の網膜神経節細胞は栄養因子や経路探索因子の評価をin vitroで行える初めてのツールであり、栄養因子の検討とともに、Muller細胞から軸索に与えられる栄養因子を同定し、その効果を分子生物学的に検討する。 移植実験は、軸索を有する分化した網膜神経節細胞を移植する初めての研究となる。既にマウス-マウス間移植の予備実験で、ES細胞由来の網膜神経節細胞をレシピエント網膜に移植し、生着して視神経内に軸索を伸ばすことが観察された。さらにヒトiPS細胞・ES細胞由来の網膜神経節細胞を純化することにも成功し、免疫不全マウスへの移植実験を開始する。視神経の軸索再生につながる網膜神経節細胞の移植研究は、将来の新たな視覚復元治療に結びつくことが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.神経保護化合物、神経再生化合物の検討:低酸素等のストレスによって起こる網膜神経節細胞の細胞死を抑制する化合物を2つ、網膜神経節細胞の分化や軸索の伸長を亢進する化合物を1つ同定した。 2.Muller細胞の細胞外因子の検討:Muller細胞と網膜神経節細胞の共培養によって、網膜神経節細胞の軸索伸長が亢進することから、培養液のプロテオーム解析を行った。共培養と網膜神経節細胞の単独培養でサブトラクションを行い、細胞外液性因子をリストアップし、その中から網膜神経節細胞の軸索伸長に効果がある物質を複数見出した(特許出願準備中)。 3.軸索の経路探索(pathfinding):軸索の経路探索に関わる物質について、忌避物質や誘導物質の候補をビーズ除放と動画で検討し、観察法を確立し、これによってSem3AやSlint1によって軸索の伸長方向が変わることを明らかにした。 4.網膜神経節細胞の軸索伸長や細胞死において、軸索先端の構造を観察して、神経保護や神経再生の候補となる化合物の効果を判定する方法を確立した。 5.移植実験:視神経障害疾患のモデルマウスを作成する(視神経挫滅)、毛様体から硝子体内への注射によって網膜神経節細胞の移植を行った。今回はヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞を免疫不全マウスに移植し、網膜に生着して軸索が視神経内へ進入することを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
1. iPS細胞・ES細胞由来の網膜神経節細胞の調整:さらにヒト細胞の純化を進め、レシピエント内で軸索を伸ばす至適な発生段階の細胞を準備する。 2.神経栄養因子の検討:見つかった神経保護薬・神経再生薬候補の化合物について、細胞死の抑制や視神経細胞の分化と軸索伸長について、マイクロアレイ等によって効果の薬物動態を検討する。 3.Muller細胞の細胞外因子の検討:培養液に解析によって同定された網膜神経節細胞の分化を亢進する化合物について、その効果をマイクロアレイ等で分子生物学的に検討する。 5.軸索の経路探索(pathfinding):軸索の忌避物質や誘導物質の候補化合物の効果をin vitroで検討する。ビーズでの除放など、中枢内で道標となる物質を用いて軸索を誘導する方法を開発する。 6.移植実験:毛様体から硝子体内への注射等によって網膜神経細胞の移植をさらに多数行う。ことに、ヒトiPSあるいはES細胞由来の網膜神経節細胞の免疫不全マウスへの移植実験を進める。軸索伸長を促す、あるいは経路探索の物質を同時に投与して、軸索伸長を病理組織学的に検討する。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Analysis of IKBKG/NEMO gene in five Japanese cases of incontinentia pigmenti with retinopathy: Fine genomic assay of a rare male case with mosaicism.2021
Author(s)
Haque NM, Ohtsubo M, Nishina S, Nakao S, Yoshida K, Hosono K, Kurata K, Ohishi K, Fukami M, Sato M, Hotta Y, Azuma N, Minoshima S.
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Journal Title
J Hum Genet.
Volume: 2
Pages: 205-214
DOI
Peer Reviewed
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