2019 Fiscal Year Annual Research Report
コンディショナルノックアウトマウスを用いたマウス胎仔皮膚再生メカニズムの解析
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19H03815
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
貴志 和生 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (40224919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 義顕 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50348687)
岡部 圭介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50445350)
荒牧 典子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80365311)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 胎仔 / 皮膚 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス胎仔は、、胎生13日(E13)までの皮膚創傷は素早く、そして瘢痕を残すことなく完全に元通りに再生する。瘢痕を残すE14以降の創傷部の比較から、ケラチン17(Krt17)とactin cable形成が関係してるのではないかと考えた。本研究では、コンディショナルノックアウトマウスを用いて、これらの因子と胎仔皮膚再生との関連を調べ、時間・空間的に発現を調節することでメカニズムを解析することを目的としている。STOCK Tg(Krt14-cre/ERT)20Efu/J、C57BL/6N-Krt17tm1(cre,Cerulean)Murr/GrsrJ, Rac1tm1Djk/J,B6(Cg)-Rhoqtm1.1Pkm/J遺伝子改変マウスをJaxson labに発注し、当研究室で増殖させている。また、これまでの研究で明らかとなったE13のactin cable形成のメカニズムをより詳細に検討した。ICR妊娠13-15日目の妊娠マウスに胎仔手術を施し、actin cableの形成と細胞膜、核を3重染色し、共焦点レーザー顕微鏡で、actin cable形成の時期から、細胞遊走への時期の切り替わりを明らかにした。また、Rac-1, cdc42, Rho等のactin重合に関わる制御因子の発現を免疫染色で確認した。E13の創傷部でactin cableが確認されたが、詳細な共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ、これは、他の生物種で従来報告されている様な細胞間をまたぐようなactinの束ではなく、創傷部の細胞膜に平行に形成され、その収縮に伴い創傷部が再生されるものと考えられた。細胞膜を含めた3次元的な詳細な形態を撮影し、表皮角化細胞の創閉鎖に関わる立体的なそれぞれの役割、各細胞ごとのactin 重合に関わる制御因子の発現を立体的に観察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
STOCK Tg(Krt14-cre/ERT)20Efu/J、C57BL/6N-Krt17tm1(cre,Cerulean)Murr/GrsrJ, Rac1tm1Djk/J,B6(Cg)-Rhoqtm1.1Pkm/J遺伝子改変マウスを入手し、交配させ増殖させている。しかし、種によっては増殖が悪く、マウス胎仔の創傷を作成するには至っていない。しかし、Actin cableの形成メカニズムについて、予定通り解析が進んでいるため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
コンディショナルノックアウトマウスを増殖させ、マウス胎仔に創傷を作成し、その下記咳を行うことを計画書に従って行ってゆく。
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