2019 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of insulocortical inhibitory synaptic transmission plasticity that regulates neuropathic pain
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19H03821
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小林 真之 日本大学, 歯学部, 教授 (00300830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 智史 日本大学, 歯学部, 教授 (00386096)
山本 清文 日本大学, 歯学部, 助教 (30609764)
中谷 有香 日本大学, 歯学部, 助教 (60781391)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 島皮質 / 長期増強 / 抑制性シナプス / parvalbumin陽性細胞 / GABA / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,錐体細胞への抑制性入力を制御し,口腔顔面における異常疼痛を抑制することを目的としており,本年度は,parvalbumin(PV)陽性細胞による錐体細胞への抑制性入力のシナプス可塑性メカニズムを解明することに取り組んだ。実験には,PV-Cre遺伝子改変ラット(以下PV-Creラット)を使用した。 AAV5.EF1.dflox.hChR2(H134R)-mCherry.WPRE.hGH (以下AAV)をPV-Creラットの島皮質に注入し感染させた。すなわち,生後3週齢のPV-Creラット島皮質にAAVを注入した。その結果,島皮質の細胞に赤色蛍光タンパクであるmCherryで標識したチャネルロドプシン2(ChR2)を発現させることが出来た。 そこで,mCherry発現細胞がPV陽性細胞であることを確認するため,第一に島皮質スライス標本を作製し,mCherryで標識された細胞からホールセル記録を行ったところ,大部分のニューロンがfast-spiking細胞と分類され,PV陽性細胞であることが電気生理学的に証明された。第二に免疫組織化学的手法によってmCherry発現細胞とPV陽性細胞の二重染色を行ったところ,必ずしも全てのニューロンがPV陽性でないことが判明した。そこでベクターをAAV5からAAV2に変更し,PVではなくCreとの二重染色を行ったところ,ほぼ全てのmCherry発現細胞がCre陽性であることが確認できた。 一方,fast-spiking細胞と錐体細胞間の抑制性シナプス伝達を同時ホールセル記録し,抑制性シナプス後電流の長期増強を誘発させる実験を行った。その結果,従来のプロトコールでは低頻度でしか長期増強が誘発されなかったため,新たに高頻度で長期増強を誘発するプロトコールを検索し,およそ5割のペアで長期増強を誘発するプロトコールを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初,市販のウイルスベクター(AAV5.EF1.dflox.hChR2(H134R)-mCherry.WPRE.hGH)で,PV-CreラットのPV陽性細胞に選択的にチャネルロドプシン2を発現させられると予想していたが,発現の選択性が予想に反して低いことが判明したため,新たなベクター(AAV2.EF1.dflox.hChR2(H134R)-mCherry.WPRE.hGH)の作製と検証に時間を費やし,研究の進行予定がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,parvalbumin抗体を変更して再度免疫組織を行い,AAV2の感染が選択的に生じていることを確認中である。今年度は,新たに発見したプロトコールを用いて抑制性シナプス伝達の長期増強に関する細胞内メカニズムの解明に取り組む。さらに,AAV2によるチャネルロドプシン2のparvalbumin陽性細胞への選択的発現が確認でき次第,in vitro標本での光刺激による抑制性シナプス伝達の長期増強の誘発に取り組む予定である。また並行して,in vivo標本へ光ファイバーを埋入する手技の確立に取り組み,in vitro標本での光刺激による長期増強のプロトコールが判明次第,in vivo標本での長期増強誘発実験を開始する。
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[Journal Article] Suppression of Superficial Microglial Activation by Spinal Cord Stimulation Attenuates Neuropathic Pain Following Sciatic Nerve Injury in Rats.2020
Author(s)
Shinoda M, Fujita S, Sugawara S, Asano S, Koyama R, Fujiwara S, Soma K, Tamagawa T, Matsui T, Ikutame D, Ando M, Osada A, Kimura Y, Kobayashi K, Yamamoto T, Kusama-Eguchi K, Kobayashi M, Hayashi Y, Iwata K
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Journal Title
Int J Mol Sci
Volume: 21
Pages: E2390
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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