2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cell lineage determination of embryonic salivary gland
Project/Area Number |
19H03827
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 準一 昭和大学, 歯学部, 講師 (40710166)
安原 理佳 昭和大学, 歯学部, 講師 (20453649)
行森 茜 昭和大学, 歯学部, 助教 (60813748)
鯨岡 聡子 昭和大学, 歯学部, 助教 (90824673)
上野 博夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (60332368)
渡辺 貴志 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (50406815)
馬渕 洋 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50424172)
辻 孝 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (50339131)
大庭 伸介 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (20466733)
阪井 丘芳 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (90379082)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 唾液腺 / 幹細胞 / 細胞系譜 / 再生医療 / 腫瘍原性 / 幹細胞ヒエラルキー |
Outline of Annual Research Achievements |
Rosa26-CreERT2マウスとRosa26-rainbow マウスを交配し、交配により作出された4週齢マウスのテールを用いてgenotyping行いRosa26-CreERT2/rainbow マウスをスクリーニングした。当該マウスの腹腔内に225microg/gのタモキシフェンを投与し、その3日後に唾液腺を採取し細胞がマルチカラー標識(4色)されていることを確認した。タモキシフェン投与後、8週、24週と唾液腺を採取し蛍光観察を行った。その結果、タモキシフェン投与後8週においては、介在部導管および腺房は連続性を欠く複数の単色クローン細胞の集合よりなることが明らかとなった。また、24週後の観察でも、個別の単色クローンは大きさを増すものの腺房、介在部導管および線条部導管のクローン間での連続性は確認されなかった。従って、少なくとも4週齢のマウスの顎下腺ではmultipotentな幹細胞の存在は確認出来なかった。次に、Rosa26-CreERT2マウスとRosa26-rainbowマウスを交配し、プラグチェック後、胎生16日に11.5microg/gのタモキシフェンを妊娠マウスの腹腔内に投与した。生後1日齢のマウス唾液腺を蛍光観察し、細胞が散在性にマルチカラー標識されていることを確認した。その後、10日齢および4週齢において顎下腺の蛍光観察を行ったが、腺房、介在部導管、線条部導管はそれぞれ複数の単色クローンの集合により構成されているが、いずれのクローンも同一の細胞系譜内に限局するのみで、異なる細胞系譜間で連続する同色クローンの存在は認められなかった。このことより、胎生16日齢のマウス唾液腺においても、multipotentな幹細胞は存在せず、unipotentな幹細胞のみにより構成されている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでRosa26-CreERT2/rainbow マウスの継続的な解析により、4週齢および胎生16日齢のマウス唾液腺はunipotentな幹細胞集団より構成されることが明らかとなった。したがって、multipotentないしbipotentな幹細胞は胎生16日齢以前の唾液腺に存在する事が明らかとなり、最終年度に十分な絞り込みが可能となったと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、胎生13.5日齢のRosa26-CreERT2/rainbow マウス唾液腺におけるmultipotentな幹細胞の存在を検証する予定であるが、より簡便な解析法として、胎生期マウス唾液腺の器管培養法の応用を図る。すなわち、胎生12.5日および13.5日齢のCreERT2-rainbowマウス唾液腺をそれぞれ採取し、メンブレン上で培養する。培地中にタモキシフェン(10pM-1nM)を加え、マルチカラー標識した1日後に蛍光観察し、蛍光標識細胞が散在性に分布するタモキシフェン濃度を決定する。決定された濃度のタモキシフェンの存在下で蛍光標識細胞を経時的に観察し標識細胞の多分化能を解析する。また、同一齢の胎生期唾液腺をscRNAseqで解析し、偽時系列解析により多分化能を有する細胞集団を予測する。この結果から唾液腺細胞系譜の運命決定に関与する候補転写因子を抽出する。次に、多色細胞系譜マウスES細胞(Rosa26-rainbow ES細胞)にCreERT2発現プラスミド(pCXN2-CreERT2)をエレクトロポレーションにより遺伝子導入し、CreERT2安定発現ES細胞株(マルチカラーES細胞)を作製する。Doxycycline存在下で遺伝子発現が誘導可能なプラスミドベクター(piggyBack vector,PB-TAC-ERN)のクローニングサイトに、前述した候補遺伝子を挿入し、エレクトロポレーションによりマルチカラーES細胞に遺伝子導入する。さらに、当該細胞より誘導した唾液腺オルガノイドと多色細胞系譜法を用いて、導入遺伝子の細胞系譜に与える影響を明らかにする予定である。
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Research Products
(8 results)