2020 Fiscal Year Annual Research Report
多検体日本人口腔癌のエクソーム解析に基づく移植マウスモデルを用いた発がん機構解析
Project/Area Number |
19H03855
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
太田 嘉英 東海大学, 医学部, 教授 (60233152)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 穣 東海大学, 総合医学研究所, 特任教授 (10146706)
田嶋 敦 金沢大学, 医学系, 教授 (10396864)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | PDXモデル / 口腔扁平上皮癌 / 遺伝子解析 / NOTCH1 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人OSCCの遺伝学的プロフィールを解明したPDXモデルを多数作成し、臨床データと比較して、「実臨床に導入可能であるか?臨床に直結した新規治療分子は存在するか?」という問いを解決する糸口になるデータを得るための第一目標として、次世代シーケンサーを用いた患者組織のDNA、RNAの解析を行った。年間30例を目標としており、前年度は36例に対して行った。今年度はその結果の解析を行った。 ①ゲノム解析 口腔癌における遺伝子解析で高頻度に変異が認められる遺伝子、一般的に癌のドライバー遺伝子とされている計76遺伝子に対し36症例のターゲットシーケンスを行った。注目していた遺伝子では、TP53が最も多く、NOTCH1にも体細胞変異を認めたが、FAT1には認めなかった。また、認めたTP53の変異をデータベース上で解析したところ、有害な影響を与える可能性が示唆された。また、生存曲線との関連性を認めた。 ②トランスクリプトーム解析 9症例に対して行った。正常部と比較して腫瘍部で発現が上昇していた遺伝子は免疫応答や抗原結合に関わる11遺伝子、減少していた遺伝子は角化、上皮細胞への分化に関わる30遺伝子であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に次世代シーケンサーを用いた全ゲノムもしくはゲノム解析、プロテオーム解析を行うとの計画であったが、ゲノムに関してはドライバー遺伝子を含んだ、口腔癌において意義がある可能性の高い遺伝子をターゲットとしたシーケンスを行った。全ゲノムや全エクソンでの報告は散見されるため、限られた予算で多くのサンプルを解析することが効率的と考えたためである。また、トランスクリプトーム解析は行ったが、プロテオーム解析までは行えていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
約100症例に到達するまでサンプル数を継続的に増やしていく。 また、PDXモデルの作成に取り掛かるが、口腔癌は細菌混入のリスクもあり、モデルマウスの樹立に難渋することも予想されるため、種々の抗菌薬を用いて条件検討を行う予定である。
|