2020 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面形成不全を伴う未診断稀少疾患の遺伝的原因の究明
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19H03858
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒坂 寛 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (20509369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬伏 俊博 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (30550941)
中谷 明弘 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (60301149)
山城 隆 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70294428)
真下 知士 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (80397554)
沖 真弥 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (90452713)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 顎顔面形成不全 / 希少疾患 / 遺伝子変異 / 疾患モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
口唇口蓋裂を始めとする顎顔面形成不全症は不正咬合の原因となり歯科矯正治療の臨床現場において頻繁に遭遇する疾患である。近年のゲノム解析の急速な発展等により顎顔面形成不全症について多くの感受性遺伝子が同定されている。しかし未だに原因不明の稀少・未診断疾患が多く存在する事も事実である。本研究では大阪大学歯学部附属病院を受診した未診断顎顔面形成不全症の遺伝的原因を明らかにする事を目的としている。本年度は昨年度に引き続き未診断疾患イニシアチブ(IRUD)と協力し顎顔面形成不全を伴う未診断希少疾患の遺伝的原因の探索を進めた。その結果口唇口蓋裂を伴う未診断疾患患者から脱ユビキチン化酵素であるUSP9XやDNA結合タンパクであるSATB2の変異を同定した。さらに本年度は昨年度同定した新規ACTB変異の機能解析の実験系を上皮系細胞株にて開発し変異ACTBタンパクの細胞内局在が変化する事を見出した。この事はACTBの細胞内局在の変化が顎顔面形成不全を引き起こす可能性を示唆する。さらに昨年度同定したGNAS遺伝子変異をもつ疾患モデルマウスを作製し現在解析中である。全ての遺伝子については発生中のマウスにおける発現解析を行い、これまでは全身の組織に一様に発現すると考えられていたこれらの遺伝子が組織、発生時期特異的な発現パターンを示す事を発見した。この事により疾患毎に組織特異的な表現型を示すメカニズムの一端を解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当科を受診された未診断疾患患者からの疾患関連遺伝子の解析は概ね予定通り進行している。また疾患モデル細胞、モデルの作製も一定数完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の本年も引き続き顎顔面形成不全を伴う未診断疾患患者の疾患関連遺伝子の解析を行う。作製した疾患モデル細胞、疾患モデル動物の解析を行う予定としている。また本年度は疾患モデル細胞などを用いて治療法の開発の為に大阪大学薬学研究科創薬サイエンス研究支援拠点で管理されている化合物ライブラリーに変異体ゼブラフィッシュを暴露し、どの様な化合物もしくは薬剤を作用させる事により症状の軽減化が可能かを評価する。膨大な化合物ライブラリーの中からどの化合物を使用するかは変異体の網羅的な遺伝子発現解析から情報生物学的なアプローチで絞り込む予定である。
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Research Products
(8 results)