2019 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪性肝疾患NAFLDの実態と自然史の解明に関する複合疫学研究
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19H03886
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 純子 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70155266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久 真幸 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (20727250)
杉山 文 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (50778280)
秋田 智之 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (80609925)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / NASH / NAFLD / 大規模コホート研究 / 血清疫学研究 / 数理疫学的モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease: NAFLD)は食生活の変化、肥満人口の増加を背景に増加し、世界的な公衆衛生上の問題となっているが、NAFLDの疫学的実態およびその自然史については未だ解明されておらず、効果的な疾病対策の構築が世界的に遅れている。本研究は、文化背景の異なる2カ所(東北・中国地方)の大規模健診データおよび保存血清を用いてin vitro, in silicoによる解析を行い、NAFLDの実態、アルコール摂取量の実態、および脂肪肝診断例の肝病態推移・自然史解明、そして重篤な肝疾患へと進行するNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の患者動態推計を行う計画概要である。 4年計画の1年目である本年度は、広島大学での研究倫理承認を取得し、公益財団法人広島県地域保健医療推進機構における、2013年4月から2018年7月の全健診受診者から肝炎ウイルス検査陽性者を除くのべ172,819人(実58,522人)、公益財団法人岩手県予防医学協会(以下、岩手県協会)における2008年4月から2019年3月(11年間)の全健診受診者から肝炎ウイルス検査陽性者を除くのべ3,644,951人(実797,644人)の健診データ(血液検査、問診、腹部超音波検査)を統合・データベース化し、解析を行った。食を含む文化背景が異なっているにもかかわらず、広島県と岩手県の性年代別アルコール飲酒頻度および飲酒量(多量飲酒・中量飲酒・非飲酒)別にみた脂肪肝有病率には同様の傾向が認められ、いずれも2-3割程度であった。健診超音波診断による脂肪肝罹患率は3,173/10万人年(95%CI:3,091-3,257/10万人年)であった。今後、脂肪肝診断例の自然史解明に加え、肝線維化マーカーの探索などin vitro研究も実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、 4年計画の1年目である本年度は、広島大学研究倫理承認を取得し、大規模健診データの統合・データベース化を実施後に解析を開始した。アルコール摂取量の実態、アルコール摂取量別にみた脂肪肝の有病率、罹患率等を算出し、脂肪肝診断例の肝病態推移についても解析を試みた。今後、脂肪肝診断例の自然史解明に加え、肝線維化マーカーの探索などin vitro研究も実施していく予定である。 以上のことから概ね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
4年計画の1年目は研究の遂行が順調に進んでいる。 4年計画の2年目は、1年目に実施した解析についてさらに詳細な検討、文献的考察、自然史解明のための数理学モデル開発および肝線維化マーカーの探索などin vitro研究も実施していく予定である。
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