2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of prediction models for cardiovascular disease among current Japanese throughout life course
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19H03908
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大久保 孝義 帝京大学, 医学部, 教授 (60344652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 靖雄 中央大学, 理工学部, 教授 (00134461)
三浦 克之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90257452)
原田 亜紀子 中央大学, 理工学部, 助教 (00451774)
早川 岳人 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (50362918)
門田 文 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (60546068)
淺山 敬 帝京大学, 医学部, 准教授 (80431518)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コホート研究 / 循環器疾患 / 発症予測 / ライフコース |
Outline of Annual Research Achievements |
循環器疾患発症リスクツールの予測精度向上・時代にあった較正については、国内で開発された NIPPON DATA 80(ND80)、久山町研究、JMS研究、JPHC、吹田研究、JALS-ECC等の既存リスクツールについて、対象集団 (人数、開始年、追跡人年)、リスク因子、対象とするエンドポイントとその定義、イベント数などの視点から、特徴を整理した。 次に、これらのリスクツールに基づき開発された予測モデルを用い、より近年のコホート集団(2002年追跡開始のJALS研究集団n=76,444)の個票データを当てはめた予測精度の検証を行った。推定されたイベント発生確率と実発生率の差を、Hosmer-Lemeshow検定を用いて検証したところ、ND80、JMSモデルはイベント発生を過大に (いずれもP<.001)、吹田モデルはやや過大傾向であるものの乖離は小さく(男性:χ2=12.66 P=.24, 女性:χ2=15.90 P=.11)、JPHCモデルは過小に予測していた(P<.001)。また、モデルの予測精度を改善する因子の検討として、暦年齢よりも若くなるよう「調整年齢」を変数として適用し、ND80、JMS、吹田モデルでは予測精度が改善した。このことから年齢が心血管疾患に及ぼす影響がモデルの開発時と現代では異なっていることが示唆された。 加えて、循環器疾患発症と要介護発生を連携させた包括的リスクツール開発のために、研究分担者・協力者が参画しているコホート研究において、データ収集及び循環器疾患発症・要介護発生追跡を継続し、成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
事前レヴューの際に、当初の予想に反し既存の論文にはリスクスコアを定量的に比較するためのパラメター情報やリスクスコアに用いるための危険因子の記述統計的情報の記載が不十分であることが判明した。研究遂行上これらの情報は不可欠のため個々の論文著者に追加情報を問い合わせるため事前レビューを延長して実施することとなった。レヴューの結果収集必要なデータが当初より多くなったためデータ収集解析を延長した。 また、循環器疾患発症と要介護発生を連携させた包括的リスクツール開発のために、研究分担者・協力者が参画しているコホート研究において、データ収集及び循環器疾患発症・要介護発生追跡を行う予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大により、調査地域自治体方針によりコホート研究における対面でデータ収集・追跡調査が実施できない状況となった。従って、調査を延期して実施した。 上記の研究期間延長により、当初より遅れは生じたものの、較正が必要となるリスク因子を特定し、各集団による変量効果に対して柔軟に対応可能な階層ベイズモデル等の手法の応用、罹患や曝露情報のサンプリング変動、年齢時間依存性のバイアス等の不確実な要因も考慮したリスクツール較正のための手法を開発する準備を整えることができた
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Strategy for Future Research Activity |
循環器疾患発症リスクツールの予測精度向上・時代にあった較正に関する解析、コホート研究実地調査データベース作成および集計解析については、これまでの年度の結果のまとめ、実施途中の課題を継続し総括を行う。JP解析については、損失余命、循環器リスク因子についても実施中であり、1960年代から2000年代の平均寿命の推移や長期追跡コホートからの死亡、罹患リスクとの比較を行い考察を加える。 循環器疾患発症リスクツールの予測精度向上・時代にあった較正の検討については、JP解析、国内既存リスクツールを用いた推定値とコホート個票データに基づく実測値の乖離の検討から、較正に必要な基礎資料を得た。これらをもとに、各集団による変量効果(一様性)に対して柔軟に対応可能な階層ベイズモデル等の手法の応用、罹患や曝露情報のサンプリング変動、年齢時間依存性のバイアス等の不確実な要因も考慮するモデルの検討、リスクツール較正のための手法開発を行う。 以上より本研究では、①既存リスクツールの検証、②循環器リスクファクターの時代(時系列)変化の定量、③時代変化を考慮した既存リスクツールの較正方法の提案、④より精緻な予測を目指した階層ベイズなどによるバイアス対応、複数データベースを取り入れた予測手法の開発、⑤循環器発症リスク、要介護発生リスクスコアを同時に評価することによる共通因子、単独因子の特定行い、今年度の最終成果としては、ライフコースを通じ循環器疾患発症と要介護発生を連携させた統合リスク予測ツール、および保健医療資源予測ツールの開発へとつなげる。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 健診成績から要介護リスクを測定する「介護リスク年齢」算出ツールの作成2019
Author(s)
田邊直仁, 原田亜紀子,大橋靖雄,百都健,丹野高三,佐藤眞一,喜多義邦,天野秀紀,木下裕貴,伊藤俊貴,渡邉慎也,上島弘嗣
Organizer
2020年3月日本衛生学会
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