2019 Fiscal Year Annual Research Report
慢性心不全患者の急性増悪予防に向けて看護師が行う退院時病態アセスメントとその評価
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19H03933
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮脇 郁子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80209957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 奈緒 宮城大学, 看護学群, 准教授 (20403298)
吉田 俊子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (60325933)
多留 ちえみ 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (90514050)
福田 敦子 神戸大学, 保健学研究科, 講師 (80294239)
正垣 淳子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (80725987)
大岸 文美 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (50848439)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性心不全 / 退院時アセスメント / 急性増悪予防 / 支援ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、急増している慢性心不全患者の急性増悪予防(再入院予防)のために、退院後の患者・家族の療養継続の要(かなめ)となる看護師 が行う退院時の病 態アセスメントに基づく支援に焦点をあて、これらを強化する支援ツールを開発し、その評価を行うことを目的としている。まず、慢性心不全患者の退院時支援における入院病棟の看護師、退院調整部門の看護師、訪問看護師のアセスメントの具体的な内容を明確化することを目的に慢性心不全患者の退院時支援の経験がある看護師経験5年以上の看護師(病棟看護師、退院調整看護師、慢性心不全患者の急性増悪を予防し再入院を回避する実践をしている訪問看護師)10名を対象に慢性心不全患者の退院時支援におけるアセスメントについて、半構造化インタビューおよび一部参加観察を行った。質的帰納的分析においては、すでに蓄積していた在宅支援事例でのデータとともに、質的研究の経験がある循環器看護・医療の専門家からのスーパービジョンを受けて実施した。その結果、急性増悪の予防、療養行動の促進、適切な服薬の継続におけるアセスメントでは、病棟看護師は【改善点を見出すために日常生活や療養行動を詳しく確認する】【個別性も考慮し、改善が必要なところを重点的に指導する】【入浴は負担が大きいから、一般的に推奨されている入浴指導をする】【患者に心不全の進展ステージについて理解してもらいたい】【心機能と自宅での活動バランスを確認する】を意図的に行い、退院調整看護師は【生活ぶりを把握し、退院後の療養生活を整える】を、訪問看護師は【生活状況を確認し、生活ぶりと療養行動との折り合いを見出す】【病識や自宅での増悪要因を確認し、改善点をさがす】【心不全の増悪徴候に本人が気づいて対処できる力を引き出す】ことを意図的に行っていた。今後はそれそれの看護師のアセスメントの意図を統合した調査と分析の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査対象者のメンバーチェッキングについては、オンラインでの実施を調整するために研究計画の一部修正が必要となり、予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
調査対象者の面接およびメンバーチェッキングについては、オンラインでの実施が可能となるように調整するとともに、これまで蓄積した在宅支援でのデータと併せて支援ツールの項目抽出にむけた分析を進めていく。
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