2019 Fiscal Year Annual Research Report
産後PTSDは「筆記表現法」で予防できるか? ~ 指針策定に向けて
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19H03943
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古田 真里枝 京都大学, 医学研究科, 教授 (20390312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 祥子 京都大学, 医学研究科, 助教 (40423248)
十一 元三 京都大学, 医学研究科, 教授 (50303764)
山田 重人 京都大学, 医学研究科, 教授 (80432384)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 産後PTSD / 筆記表現法 / RCT / 疫学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦においても、近年、周産期メンタルヘルスの問題が表面化している。本研究の目的は、本邦における産後の心的外傷ストレス障害(Posttraumatic stress disorder:PTSD)の予防指針確立に向けて、心理的対処療法の一つである筆記表現法の有効性・安全性をランダム化比較試験(Randmised Contrial Trials:RCTs)で検証し、さらにその結果を、システマティックレビューを用いで世界の質の高いエビデンスと統合することである。2019年(初年度)においては、産後PTSD予防に対する筆記療法の有効性と安全性の検証に向けたRCTsのプロトコルを作成し倫理申請を行った。また、研究遂行に向けて、研究対象となる国内の医療施設と打ち合わせを重ね、データ収集がスムーズに実施できるような協力体制を整えた。さらに、当該分野の専門家である英国・スイスの研究協力者と共に、産後PTSD予防に対する心理療法の有効性と安全性に対するエビデンス構築に向けたシステマティックレビューのプロトコル作成に取り掛かった。システマティックレビューに関しては、バイアス評価やメタアナリシスを含むデータ統合手法が近年発展してきていることから、それらの手法をアップデートするために英国・スイス・カナダ・米国・オーストラリアの専門家から助言を得たり、講習会等に参画するなどして、最新の手法でレビューを実施できるように準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記に示した2019年度の活動により、2020年に遂行を予定しているRCTの準備(施設協力承認や倫理書類)がほぼ整った状態にある。また、当該分野に関する世界の動向について国内外の専門家から助言をから得ることができたため、システマティックレビューのプロトコルを完成させることが可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
産後PTSD予防に対する筆記療法の有効性と安全性の検証に向けたRCTsを引き続き実施する。また、心理療法の有効性と安全性に対するエビデンス構築に向けたシステマティックレビューの国際研究を実施する。具体的には、プロトコルを完成しPROSPEROに登録する。電子データベース(Medline、CENTRAL、PsycINFO、CINAL)検索や国内外の専門家・公的機関へのコンタクトを通 じ、関連研究を漏れなく収集し、データを統合する。GRADEを用いてアウトカムごとにまとめられた研究報告の「総体」としてのエビデンスを決定する。
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