2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a logic model based on the principle of public health nursing to work towards social inclusion
Project/Area Number |
19H03954
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大森 純子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50295391)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 敦子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (70359636)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 社会的包摂 / ソーシャルインクルージョン / 公衆衛生看護 / ロジックモデル / 保健師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、現代社会における弱者を包容する地域づくりに取り組む保健師の実践知から、社会的包摂を志向する公衆衛生看護の概念構造を解明し、原理に 基づくロジック・モデルを開発することを目的とする。また、本研究を通じて、保健師の志のもち方や住民や地域に向ける眼差しについて説明 する概念を立ち上げ、事象の見方や考え方の根拠を提示し、実践の具体的事象と結び付けることで原理として定着を図る。 本研究の研究疑問は、①社会的包摂を志向する公衆衛生看護の実践知はどこにどのように存在するか、②社会的包摂を志向する保健師の活動はどのような概念構造(原理)で成り立つか、③社会的包摂を志向する公衆衛生看護の原理をいかに実践に適用させることができるかの3つである。 これまで研究疑問①②について研究活動を進めている。2019~2020年度に文献に基づく概念分析により作成したロジックモデル原案を作成し、日本公衆衛生看護学会でワークショップを開催し、モデルの日本の実践現場での活用可能性について意見交換を行った。2021年度はその際に得られた情報と行政保健師のインタビュー調査から、社会的包摂を志向する公衆衛生看護の実践に適当可能なロジックモデルの検討を行った。 具体的には、ロジックモデル原案をブラッシュアップし、中堅期の行政保健師の研究参加者を募り、インタビューを実施した。インタビューでは、ロジックモデル原案の枠組みを用い、そこに実際の事例を当てはめることを試み、どのように社会的包摂を志向しているか詳細な聞き取り調査を行った。研究参加者が自治体の行政保健師であるため、COVID-19感染拡大の影響を受けながら断続的に進めることとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、公衆衛生看護の原理として、自治体における実践に適用可能な社会的包摂を志向するロジックモデルを開発するため、行政保健師の研究参加が不可欠である。行政保健師は2020年2月以降、多岐にわたる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に追われていることから、未だ十分な研究参加者(事例数)を得ることが難しい状況である。また、感染拡大防止の観点から研究者の県境を越えた移動の自粛制限や対面によるインタビューの設定が難しい状況も続いている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、感染拡大がピークアウトするタイミングを見計らい、COVID-19対応の間隙にインタビューによる事例収集を続ける必要がある。COVID-19流行下でも、研究を推進できるよう、感染拡大に地域差がある時期には全国規模で研究協力のリクルートを検討し、地元の研究協力者に行政保健師の紹介を依頼する等アプローチを工夫すると同時に、研究者の移動や対面によるインタビューの設定が難しい時期にはオンラインによるインタビューを実施るする予定である。
|