2021 Fiscal Year Annual Research Report
持久性運動時の生体防御を担う中枢疲労形成の神経機構:脳グリコーゲン由来乳酸の役割
Project/Area Number |
19H03994
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松井 崇 筑波大学, 体育系, 助教 (80725549)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 持久性運動 / 脳グリコーゲン / 乳酸 / 中枢疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、持久性運動時の生体防御機構としての中枢疲労形成における脳グリコーゲン由来乳酸の役割を解明することを目指して実験を進めてきた。当初4年計画で実現予定であった3つの実験を、3年目である令和3年度に以下のように遂行することができた。。 実験2では、昨年度確立した、バイオセンターを用いた海馬内乳酸定量モデルを活用し、運動時の脳グリコーゲン分解により生じる脳内乳酸濃度の変化を生体下でリアルタイムに測定した。海馬への局所的なセンサー留置術を施し、走行学習を行ったあと、漸増負荷運動および固定負荷運動を課し、その際の血中乳酸、海馬内乳酸濃度、脳グリコーゲン濃度を測定した。その結果、海馬の乳酸濃度が漸増負荷運動並びに固定負荷運動時に、海馬グリコーゲン濃度に反比例して上昇することを確認した。このとき、海馬乳酸濃度の上昇は血中乳酸の上昇とは独立して生じた。これらの結果は、運動時の海馬では局所グリコーゲン由来の乳酸がエネルギー源、並びに、疲労シグナルとして機能する可能性を示唆する。 実験3では、実験2と同様の条件において、視床下部の乳酸濃度とATP濃度を定量した。その結果、疲労困憊時に乳酸濃度が顕著に上昇する一方、ATP濃度は維持されることを確認した。乳酸は運動時の全身エネルギー代謝中枢である視床下部においてもエネルギー源として機能しながら、過活動を防ぐ防御機構として働く可能性がある。 これらの成果は、神経生理学系の国際誌に投稿準備中である。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|