2019 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ外傷・障害に対する多血小板血漿療法の治療効果規定因子の解析
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19H04004
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
齋田 良知 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (00534885)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多血小板血漿 / スポーツ外傷 / 変形性関節症 / 成長因子 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツ外傷・障害に対する多血小板血漿療法の治療効果規定因子の解析を行うために、倫理委員会への申請を行い承認を得た。スポーツ外傷・障害にてPRP療法を行う患者に、血中・PRP中・尿中の各種成長因子やバイオマーカーの測定を開始した。中高年の変形性膝関節症患者でPRP療法を行う患者にも同様の測定を行い、アスリートとの比較を開始した。 また、治療した患者の治療後の経過を定期的に評価し、PRP療法が効果的であったか否かの評価も開始している。 現在までに得られたデータでは、PRP療法によって血中や関節液中の関節炎マーカーが低下する結果が得られてきている。また、アスリートと中高年では血中の成長因子の濃度が異なる可能性を示唆するデータも得られてきた。また、血小板の造血能を反映する幼若血小板が占める割合が高い患者でPRPの効果が高まる傾向が示されてきた。 以上より、PRP療法の効果を左右する因子が明らかになりつつある。 これらのデータを来年の日本整形外科学会、日本膝スポーツ関節鏡学会、日本再生医療学会などに演題登録し発表できるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PRP療法を受ける患者に対して、様々な患者背景の調査を行うとともに、血中・尿中・PRP中の各種成長因子、バイオマーカーの測定を開始することが出来た。 一部の測定項目は、測定値が検出限界以下になるなどの問題点が生じたが、そうした項目は削除もしくは別の抗体に変更するなどして、スムーズに問題に対応できた。 予定通りに患者登録が進み、来年度にはデータの解析が開始可能で状況と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は確定し、サンプルの採取の手順のシステム化も完了したため、来年度はさらにサンプルの採取・測定を進めていく。 それと同時に、治療した患者の治療後の臨床経過の推移を負う必要があるため、定期的に来院頂くもしくは自己評価表を郵送するなどの手段を使って患者の臨床経過を定期的にフォローしていく。 測定したデータと臨床経過を照らし合わせて、効果を規定する因子の検索が来年には開始できるものと考えている。
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