2019 Fiscal Year Annual Research Report
肉離れが好発する筋・部位・個人の特徴解明に基づく効果的予防策構築のための基盤創出
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19H04005
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宮本 直和 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (20420408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福 典之 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (40392526)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肉離れ / 骨格筋 / 腱 / 遺伝子多型 / 外傷予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「なぜ肉離れは特定の骨格筋や特定の部位にて好発するのか?」および「肉離れを受傷しやすい人と受傷しにくい人の違いは何か?」という問いに迫り、科学的根拠に基づく効果的な肉離れ予防の基本策、且つ、個々人の特徴に好適なカスタムメイド型予防策を構築するための学術的基盤を創出することである。そのために本年度は、「肉離れが好発する筋・部位の特徴抽出」について2つの実験を行った。 ハムストリングスを構成する大腿二頭筋長頭、半腱様筋、半膜様筋でスティフネス(伸びにくさ)が異なるかどうかについてはよく分かっておらず、ハムストリングススティフネスと筋損傷(肉離れなど)との関連やストレッチによる効果についても不明な点が多い。そこで、実験1では、大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋の筋間および各筋の近位部・中央部・遠位部で筋スティフネスが異なるかどうかについて調べた。筋スティフネスの定量には超音波剪断波エラストグラフィを用いた。その結果、大腿二頭筋長頭および半腱様筋に比べ半膜様筋でスティフネスは高く、また、全ての筋において近位部位よりも遠位部位でスティフネスは高かった。実験2では、ストレッチによって筋内部位差が消失するのかどうかについて検討した。ハムストリングスの90秒の静的ストレッチを5回繰り返す前後に、実験1でスティフネスが最も高かった半膜様筋の近位部・遠位部のスティフネスを測定した。その結果、ストレッチ後も近位部に比べて遠位部のスティフネスが高いことが明らかとなった。これらの結果から、ハムストリングスの非収縮時(弛緩時)のスティフネスは、ストレッチ運動の実施にかかわらずハムストリングス内で不均一であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験は計画通りに進み、成果公表も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り進める。一方で、新たな研究課題も明らかになってきたため、時間的余裕があれば研究計画以上の内容についても着手する
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Research Products
(3 results)