2021 Fiscal Year Annual Research Report
運動開始時の迅速な活動筋血流反応とトレーニング効果の解明:拡散相関分光法を用いて
Project/Area Number |
19H04006
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
一之瀬 真志 明治大学, 経営学部, 専任教授 (10551476)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 弓絵 明治大学, 理工学部, 専任教授 (10360207)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | スポーツ生理学 / 生体医工学 / 循環調節 / 末梢血流量 / 光技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,拡散相関分光法(DCS)による血流計測を開発・改良することで,従来法では検討することが困難であった,運動開始時の活動筋組織における迅速な血流反応とそのメカニズムおよび運動トレーニングの影響を明らかにすることである。昨年度までの研究により,筋収縮直後に生じる運動強度依存性の血流増加反応は活動筋に静水圧が加わると増強・加速されることを見いだした。血流増加反応を増強・加速するメカニズムとしては筋ポンプ作用(筋収縮にともなう動静脈圧差の拡大)が考えられるが,微小血管に静水圧が加わることで血管拡張反応が増強されていた可能性もある。そこで,骨格筋微小血管の静水圧上昇が筋収縮に依存せずに血流増加反応を増強するのかについて検討した。 筋収縮に依存しない血流増加反応を調べるために反応性充血試験を行った。上腕をカフで圧迫することで180秒間阻血し,阻血解除後に生じる一過性の血流増加反応を分析した。DCS血流計を用いて浅指屈筋の微小循環血流反応を測定した。浅指屈筋に加わる静水圧の影響を調べるために前腕を心臓よりも下方および上方に位置させて測定を行った。前腕を下げた条件では上げた条件よりも血流増加のピークが高まり,ピークに至るまでの時間が短縮された。前腕を上げた状態で阻血し,その後前腕を下げてから阻血を解除した場合,前腕を下げたままの状態と比べて血流増加のピークに差は無かったが,ピークに至るまでの時間が長くなった。前腕を下げた状態で阻血し,その後前腕を上げてから阻血を解除した場合,前腕を上げたままの状態と比べて血流増加のピークに差はなかったが,ピークに至るまでの時間が短縮された。これらの結果から,骨格筋微小血管に加わる静水圧が上昇すると,筋収縮および筋ポンプ作用に依存せずに,血流増加反応が増強・加速されることが明らかになった。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|