2019 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の健康寿命延伸の鍵を解明する包括的スポーツ科学研究
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19H04008
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村岡 功 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (80112712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 浩一朗 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00318817)
澤田 亨 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00642290)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スポーツ科学 / メカニズム / 疫学 / 横断研究 / 健康寿命 / 座位行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康寿命延伸の鍵を解明するために、糖尿病と副交感神経機能、体力、内臓脂肪の関係を調査した。また、変形性膝関節症と全身持久力、最大脂質酸化量の規定要因を探索する研究を行った。 (1)潜水徐脈と運動後心拍回復と生活習慣病有病率の関係:350人を潜水反射試験と運動後の心拍回復の程度で三分位に分類した。糖尿病の有無とR-R max(ms)およびR-R max(%)に関連があり、糖尿病の有無と潜水徐脈の間に統計的に有意な量反応関係が観察された。(2)全身持久力と脚伸展パワーの組合せと糖尿病有病率の関係:研究参加者は627人で、全身持久力低値群&脚伸展パワー低値群、低高群、高低群、高高群を設定した。ロジスティック回帰モデルを用いて低低群を基準にした場合の他の群のオッズ比を算出した結果、両者とも高い値を示す群の糖尿病有病率が最も低いオッズ比を示した。(3)全身持久力、内臓脂肪と糖尿病有病率の関係: 991人を対象とした。ロジスティック回帰分析で全身持久力と糖尿病有病率のトレンド検定を行った。内臓脂肪面積(VF)でサブグループ解析を行った結果、高VF群では、全身持久力と糖尿病有病率の間に負の関係が示されたが、低VF群では明確な関連が示されなかった。(4)変形性膝関節症有病率と全身持久力との関係:参加者は940人だった。全身持久力の第1四分位群を基準にした場合の他の群のオッズ比は1.38、1.66、8.44であり、全身持久力と変形性膝関節症有病率の間に正の関係があることが示された。(5)最大脂質酸化量の規定要因の検討:991名を対象とした。最大脂質酸化量の規定要因候補と考えられる項目を従属変数として重回帰モデルに投入した。その結果、運動習慣の有無、飲酒量が最大脂質酸化量と有意に関連した。最大脂質酸化量に年齢や飲酒量も規定要因である可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各コースの参加者について、Aコース5,794人(目標:15,000人)、Bコース4,199人(目標:5,000)、Cコース1,647人(目標:2,000人)、Dコース1,991人(目標:2,000人)であり、Aコースについては目標達成までにさらなる時間が必要な状況である。また、重要なリスク因子である身体活動量および座位行動時間のデータ整備に想定以上の時間が必要となっており、これらの情報を解析に使用するためにはさらなる時間が必要な状況である。 一方で、Dコースのデータを使用した横断研究については順調に健康アウトカムと健康寿命の延伸を阻害する既知のリスク因子の関係や未知のリスク因子の関係を評価できており、そのいくつかについてはすでに学会発表を終えている。
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Strategy for Future Research Activity |
広報活動により、Aコースの研究参加者を目標数に早急に近づけるとともに、身体活動量および座位行動のデータ整備を至急進め、さまざまなリスク因子の影響度(ハザード比の点推定値)を比較し、影響度の強いリスク因子を明らかにするとともに、リスク因子と年代や性別の積項を解析モデルに投入し、交互作用解析を網羅的に実施していく。 Dコースのデータを使用した横断研究については、本年度の解析結果を論文として公表しておくとともに、さらに多くのリスク因子を探索していく。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Parasympathetic nervous regulation and prevalence of lifestyle-related diseases in Japanese: WASEDA'S Health Study.2019
Author(s)
Konishi M, Sawada SS, Kawakami R, Tanisawa K, Tabata H, Nakamura N, Kim HK, Ito T, Higuchi M, Suzuki K, Torii S, Lee IM, Blair SN, Oka K, Sakamoto S.
Organizer
66th ACSM annual meeting
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[Presentation] Cardiorespiratory fitness and prevalence of lifestyle-related diseases in Japanese men and women: WASEDA'S Health Study.2019
Author(s)
Sawada SS, Kawakami R, Tanisawa K, Tabata H, Nakamura N, Kim HK, Konishi M, Ito T, Usui C, Midorikawa T, Higuchi M, Suzuki K, Torii S, Lee IM, Blair SN, Muraoka I, Ishii K, Oka K, Sakamoto S.
Organizer
66th ACSM annual meeting
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[Presentation] Prevalence of knee osteoarthritis and cardiorespiratory fitness and in Japanese men and women: WASEDA'S Health Study.2019
Author(s)
Iizuka S, Sawada SS, Kawakami R, Tanisawa K, Tabata H, Nakamura N, Kim HK, Konishi M, Ito T, Usui C, Midorikawa T, Higuchi M, Suzuki K, Sakamoto S, Ishii K, Oka K, Torii S.
Organizer
ECSS Congress Prague 2019
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