2019 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの歩行中における足底腱膜の3次元変形動態の解明
Project/Area Number |
19H04009
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
衣笠 竜太 神奈川大学, 人間科学部, 教授 (10409378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻原 直道 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70324605)
八重嶋 克俊 神奈川大学, 人間科学部, 非常勤講師 (50625910)
鈴木 崇人 神奈川大学, 人間科学研究科, 研究員 (20638960)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 足底腱膜 / 歩行 / ヒト / 変形 / アーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究全体の目的は、2方向低電圧X線透視イメージング技術を新たに開発し、ヒトが実際に歩いている時の足底腱膜の3次元変形動態を明らかにすることであった。パラメータ最適化の過程において、当初の想定に反し、X線透視装置による低線量撮影は管球の負担増により、画像歪みと装置の寿命短縮をもたらす事が判明した。装置の製造元には低線量撮影の事例がなく、事前に想定できなかった。韓国の装置利用をバックアップとしていたが、2019年末に廃棄することが判明した。研究遂行上、足底腱膜の生体計測が不可欠なため、計画を見直し、X線ではなく、MRIを採用することが必要になった。 新型コロナウィルス感染症の影響により、大学への入構禁止や研究出張の制限などで、2019年度に予定していた実験などの延期を余儀なくされていたが、ヒトを対象とした実験をようやく2021年度に実施することができた。一つ目の実験の準備として、MRガントリー内で使用可能な非磁性体の筋力計を製作した。筋力計自体の素材と筋力発揮時の体を固定する素材をそれぞれ非磁性体で製作しなければならない制約があった。この制約のため、筋力計の剛性が低くなり、筋力発揮時の体動が大きくなってしまう課題があった。非磁性体で製作した筋力計とベルクロのベルトによる体の固定法を用いて、足関節角度が筋力発揮時にどの程度変化するかを実験的に検証することとした。その結果、最大努力での筋力発揮時の足関節角度変化は平均9度となり、MRガントリー内で筋力計を用いた先行研究の結果よりも小さかった。現在、この結果をまとめた論文を執筆しているところである。 二つ目の実験として、静止立位時の足底腱膜のスティフネスを測定し、現在この結果をまとめた論文を雑誌に投稿しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響により、大学への入構禁止や研究出張の制限などのため
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力先のMR装置と製作した筋力計を用いて、筋力発揮中の足底腱膜の生体計測を行う予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症の影響により、研究協力先の活動制限などのためにMRIを用いた予備実験の実施が困難となることが判明した。足底腱膜の生体計測の代替手段を検討した結果、計画を見直し、MRIではなく、超音波装置を採用することが必要になった。超音波装置のプローブを足裏に固定し、その状態で踵接地から母指球での蹴り出しまでの接地区間における足底腱膜の変形を測定する。今後は6月までに超音波装置を用いた実験のセットアップ、9月までに予備実験、12月までに本実験の準備、2月までに本実験、3月に分析と論文執筆を行う。
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Research Products
(1 results)