2022 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪由来幹細胞の分化を制御する運動療法の新しい分子機構:細胞内アミノ酸代謝の役割
Project/Area Number |
19H04010
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
井澤 鉄也 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70147495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 準悦 旭川医科大学, 医学部, 客員講師 (20415110)
加藤 久詞 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌代謝高血圧研究部, 研究員 (30780275)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脂肪由来幹細胞 / 運動トレーニング / mTOR / ERK / プロテオーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満症の予防・治療に有効な持久的運動トレーニング(以下,TR)は脂肪由来幹細胞の脂肪細胞分化能や神経細胞への分化能に影響を与えるが,こうした現象を制御するメカニズムは不明である。これまでの研究で,脂肪由来幹細胞から分化させた脂肪細胞(以下,分化脂肪細胞)のアミノ酸代謝や細胞骨格に関わるパスウエイがTRによって変化することを示唆してきた。2022年度は,mTORC2-細胞骨格-脂肪分化ネットワークに及ぼすTRの影響,ならびに2次元電気泳動によるプロテオーム解析を中心に研究を実施した。 分化脂肪細胞のmTORC2のタンパク質発現に及ぼすTRの影響を検討したところ,鼠蹊部脂肪組織由来の分化脂肪細胞(以下,皮下分化脂肪細胞)において有意に増加し(p<0.05),精巣上体脂肪組織由来分化脂肪細胞(以下,内臓分化脂肪細胞)においては,発現が増加する傾向が観察された(p=0.10)。そこで,皮下分化脂肪細胞において検討を進めた結果, mTORC2の標的因子の一つである,リン酸化ERKのタンパク質発現もTRによって有意に増加することが確認された(p<0.05)。こうしたmTOC2タンパク質とリン酸化ERKタンパク質の増加は,アミノ酸不含有培地での分化脂肪細胞では観察されなかったことから,TRによるmTOC2-ERK系への影響はアミノ酸によって修飾されていることが示された。さらに,2次元電気泳動によるプロテオーム解析を行った結果,TRの影響が報告されていないタンパク質に発現変化があることを新規に発見した。皮下分化脂肪細胞では,TRに特徴的に発現が消失するタンパク質が観察され,2つのタンパク質の発現が増加することを見出した。一方,内臓分化脂肪細胞では,皮下分化脂肪細胞とは異なった2つのタンパク質の発現がTRによって特徴的に増加することが分かった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)