2020 Fiscal Year Annual Research Report
クロスブリッジおよびタイチンの弾性に着目した反動動作による筋力増強メカニズム解明
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19H04011
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
福谷 充輝 立命館大学, スポーツ健康科学部, 講師 (80722644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉 晴夫 帝京大学, 医学部, 名誉教授 (20082076)
伊坂 忠夫 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30247811)
八木 直人 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 分光・イメージング推進室, 特別研究員 (80133940)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アクチン / ミオシン / タイチン / 反動動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、反動動作によってなぜ筋力発揮能力が向上するのかを分子レベルであきらかにしようとするものである。初年度である2019年度は、単一の筋細胞を対象に、X線回折を用いて反動動作中のアクチンとミオシンの構造変化を観察し、その構造変化と反動動作による筋力発揮能力向上との関連を検証する実験を行い、想定以上の進捗が得られたため、本年度、2020年度は、対象を単一の筋細胞から生体の筋に変更して同様の実験を行った。単一の筋細胞とは異なり、生体の筋は、筋の3次元構造、血流、神経支配が維持された状態であり、より我々の身体運動に近い環境化にあるといえる。このような高次構造が維持された状態で、X線回折による分子レベルの構造情報を得ることができれば、議論をさらに発展させることができる。そこで、まずは反動動作 (伸張性収縮) を行った後に短縮性収縮を行う反動動作条件、次に反動動作を行わずに(等尺性収縮後に) 短縮性収縮を行うコントロール条件を設定し、これらの力発揮中に筋力変化とX線回折による1.1、1.0反射の比 (結合したクロスブリッジの数の指標) を計測した。安静時と比べて、筋収縮時に1.1、1.0反射の比が増大するかどうかで、生体においてアクチンとミオシンの構造変化が観察できたかどうかを判断した。その結果、筋線維の配向を考慮しなければならない等の、単一の筋細胞を対象とした実験では考慮する必要のない問題をクリアすることができれば、生体であってもX線解説により1.1、1.0反射を捉えることが出来た。そこで2021年度は、この発展的な手法を用いて、よりヒト生体の環境下に近い条件で、アクチンとミオシンの構造変化と反動動作による筋力発揮能力向上との関連を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はコロナウイルスによる研究活動自粛があったため遅れが生じたが、昨年度に当初の予定通り研究が進んだこと、本年度の後期は実験再開できたことから、ある程度計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様、X線回折を用いた実験を継続しつつ、新たに国際共同研究強化Aに採択されたため、そちらで計画している、反動動作中におけるミオシンヘッドの方位計測も取り入れて、反動動作による筋力増強メカニズムを分子レベルで検証する。
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[Journal Article] Comparison of the relative muscle volume of triceps surae among sprinters, runners, and untrained participants2020
Author(s)
Fukutani A, Tsuruhara Y, Miyake Y, Takao K, Ueno H, Otsuka M, Suga T, Terada M, Nagano A, Isaka T.
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Journal Title
Physiol Rep
Volume: 19
Pages: e14588
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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