2019 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚の弾性は3次元筋形状および筋パフォーマンスの決定因子であるか?
Project/Area Number |
19H04018
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
吉武 康栄 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (70318822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 直和 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20420408)
金久 博昭 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50161188)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 筋形状 / 電気刺激 / 力の立ち上がり勾配 / 3Dスキャナ / モーションキャプチャ / 結合組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,筋を囲む皮膚を中心とした結合組織が3次元筋形状を決定する因子であるか,またその3次元筋形状が力発揮および調節能力に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする.今年度は,筋形状の違いは,素速い力の立ち上がりに影響を及ぼすか,またその影響の度合いは関節角度によって異なるか,を明らかにすることを試みた.健常若齢成人男性16名の右肢の足関節底屈筋群を対象とした.対象者は,仰臥位と伏臥位それぞれにおいて,膝・股関節は完全伸展位に保持し,足関節角度は,背屈位15 (DF15),中間位(N),底屈位15 (PF15)の3条件とした.全ての姿勢および足関節角度において,3Dスキャナを用いて,下腿三頭筋群の筋形状を推定した.本研究では,素速く力を立ち上げる能力は,電気刺激誘発の力で評価した.電気刺激は,すべての運動単位の活動する強度にて脛骨神経に皮膚表面から電気刺激を与え,等尺性の足関節底屈力を誘発した.各姿勢・足関節角度における電気刺激は,2連続,そしてその2秒後に単発の刺激を1セットとし, 5セット行った.電気刺激によって誘発された力から,力の最高値,収縮時間,力の立ち上がり勾配(力の最高値/収縮時間)を算出し,5セットの平均値を代表値とした. 力の最高値は,N,PF15においては,仰臥位が伏臥位よりも有意に高値を示した(P < 0.05).一方で,DF15では,力の最高値に姿勢間で差がなかった(P > 0.05).さらに,定量化された姿勢変化による下腿三頭筋群の筋形状の平坦化の度合いは,力の最高値の低下の度合いと正の相関が認められた(r = 0.54,P < 0.05).筋形状が平坦になると,素速い力の立ち上がりが阻害され,また,その度合いは,底屈位,言い換えると,筋長が短くなるにしたがい増長されることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りのスケジュールにて実験・解析・執筆が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
等尺性足関節底屈動作において安静時,最大筋力(MVC)発揮,20% MVCまで力調節課題を行い,その際,3次元超音波Bモード測定を伏臥位・仰臥位姿勢にて筋腹部を対象に行う.力調節課題において対象者は,目の前のモニタにリアルタイム呈示された0から20% MVCまでを示す斜め直線のターゲットラインに対して足関節底屈力を表したラインができるだけ一致させるように力を調節しながら増大させる.その際,主働筋である腓腹筋内側頭に挿入したワイヤー筋電図より運動単位の瞬時発火頻度を定量化する.通常,瞬時発火頻度の変動と力の変動とは,時間空間的に類似する(波形間の相互相関係数が高い,Yoshitake et al. 2013).一方で,歪な安静時筋形状を変化させることに筋活動が費やされる場合は,瞬時発火頻度の変動は力変動に貢献せず,従って波形類似性は低くなるはずである.そこで,各姿勢(仰臥位・伏臥位)で得られた力変動と瞬時発火頻度の変動との波形類似性(相互相関係数)の比較を行い,皮膚弾性,および3次元筋形状との関連性を明らかにする.
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Research Products
(1 results)