2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research of the integrative adjustment on metabolism to support ability for locomotion and run in human.
Project/Area Number |
19H04022
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
福岡 義之 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20265028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安陪 大治郎 九州産業大学, 健康・スポーツ科学センター, 准教授 (10368821) [Withdrawn]
堀内 雅弘 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (50310115)
上林 清孝 同志社大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (70415363)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 免荷 / 歩行 / ガス交換 / 筋電図 / 筋酸素化動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、下肢筋群への重力負荷を抜重して、活動筋の動員を操作することで、歩行の代謝に関わる呼吸・循環・筋肉、脊髄レベル中枢を介した皮質脊髄路興奮性の変容を検討した。歩行の運動では歩速度を時速3km~6kmの間でサイン波状に変化させた。サイン負荷の周期は、それぞれ異なる周期2, 5, 10分の3種類を設定した。特製の免荷装置を開発し、各個人体重の①100%(免荷なし)、②70%(30%の免荷)、③50%(50%の免荷)の3条件となるよう免荷装置にて設定した。その結果、免荷によってエネルギー代謝量(酸素消費量、二酸化炭素排出量)は100%、70%、50%の順に低下した。免荷による体重の軽減は歩行運動時の代謝量を落とした。サイン負荷の振幅応答は代謝量の低下とともに低くなった。循環(心拍)応答は代謝量を直に反映し、平均値および振幅とも100%、70%、50%の順に低下した。一方、筋血流と代謝のバランスを表すデオキシヘモグロビン濃度は100%で最も低く、振幅応答も低かった。このことは、歩行中の筋血流量が免荷によって低下し、その応答性も70%、50%で劣化していたと考えられる。一方、換気応答は100%、70%、50%の順に高くなった。位相や振幅の応答性は免荷の条件に関係なく維持されつつ、ヒトの免荷は過換気を誘発することが明かになった。代謝量が低下しているにも拘わらず、過換気になっているのは呼吸中枢へ求心性神経刺激が免荷によって負荷されたと推察される。下腿の主動筋である腓腹筋の筋放電量は100%、70%、50%と免荷が進むに連れて減衰した。これとは逆に、ヒラメ筋と前脛骨筋の筋放電は50%において最も大きく、歩行の推進や底屈動作がスムーズになった可能性がある。ヒラメ筋と前脛骨筋からの求心性神経活動(III,IV線維)の関与が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していた実験は概ね終っているが、2月、3月に予定していた磁気刺激を用いた免荷時の皮質脊髄路興奮性の測定が、コロナ禍によってすべてキャンセルになった。したがって、大学の入校制限が解除されて以降、磁気刺激の測定を行って、実験1を完了する。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍によって2019年に1つの測定を積み残してきたが、こちらの測定を1週間程度の完了し、2020年度に計画していた実験2をスムーズに遂行する。
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Research Products
(9 results)