2020 Fiscal Year Annual Research Report
Comparison of the capacity to integrate information in motor and visual systems by TMS-EEG concurrent recordings
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19H04024
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| Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
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Principal Investigator |
北城 圭一 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 教授 (70302601)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 由香 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (10718547)
上原 一将 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (90746661)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 経頭蓋磁気刺激 / 脳波 / 有効結合 / 機能的結合 / 左右半球 / 情報統合能 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は視覚系、運動系、それぞれのモダリティで左右半球間の脳機能上の情報統合能を認知、行動パフォーマンスで評価する脳波実験用の課題の構築を進めた。これらの実験課題では同時に脳波も計測し、脳波位相同期ネットワーク様相から左右半球の機能的結合を定量化することも考慮に入れ、実験デザインを考案した。
具体的には、視覚系課題については、先行研究を参考に、ディスプレイ上の固視点を注視しながら、左右視野をまたいで複数のボールが移動するのをトラッキングする左右半球統合条件と、左右視野それぞれの中でボールが移動するのをトラッキングする左右半球分離条件の２条件があるトラッキング課題のプログラミング実装に成功した。この課題では左右半球統合条件では、運動視を処理する脳領域である左右のhMT+が脳波ガンマ波で位相同期を示すことが予想される。この実験課題を用いて、脳波計測システムで動画提示タイミングをフォトセンサーで正確に計測し精度の解析を行った。これにより最適なリフレッシュレート等の画面提示のパラメータの検討を進めた。また、運動系課題については複数の先行研究を参考に、左右半球の統合条件と分離条件を含む両手協調タッピング課題の脳波実験デザインの検討を進めた。
経頭蓋磁気刺激ー脳波同時計測実験については、防音シールドルーム実験室の計測環境の整備を進めた。さらに、実験パラダイムの詳細の検討を進め、自発活動ネットワークに単発TMSで干渉することで、ターゲットとする大域的な位相同期ネットワークの有効結合をプローブし、可視化する方法論の構築を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
視覚系、運動系の脳波実験課題の構築を進め、経頭蓋磁気刺激と脳波計測実験のための防音シールドルームと計測環境の構築は進行することができた。しかし、視覚系、運動系の課題構築が当初の予定より遅れたために、脳波計測の本実験を行うことが今年度は難しかった。このため、脳波データを取得することができず予定よりやや遅れてしまった。
また、新型コロナウイルス感染症の社会的な状況のため、外部被験者を呼んで実験が当初は難しかった。感染防止の対策を含んだ実験のガイドラインの整備を進め、脳波実験実施が可能な状況にすることができた。感染症の影響がない場合に比べるとスケジュールが全般的に遅れてしまったが、感染防止対策は重要のため、この遅れはやむをえないと考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、実験システムの構築を更に進めて、視覚系、運動系の左右半球の情報統合能を評価する脳波実験パラダイムを確立し、半球間の情報統合を認知、行動パフォーマンスで評価し、同時に脳波位相同期ネットワークで大域的な機能的結合を計測、評価する脳波実験を複数の被験者で実施する。phase locking valueやphase synchronization index等の各種位相同期指標で左右半球の同期ダイナミクス上での機能結合を評価し、認知、行動パフォーマンスで評価した情報統合能との関連を解析する。
さらに、安静時に視覚野（hMT+）と運動野（M1)をターゲットとする経頭蓋磁気刺激ー脳波計測実験を行う。単発TMSにより誘発される脳波応答ダイナミクスについてphase locking factorにより位相リセットの左右半球をまたぐ大域的伝搬様相に着目して視覚系と運動系、それぞれの左右半球間の脳波ダイナミクス上の有効結合を定量化する。加えて、移動エントロピー等の情報理論的指標で左右半球間の有効結合を情報流の観点からも定量化する。
次にこれらの実験で定量化した運動系、視覚系の認知、行動パフォーマンスでみる情報統合能と、脳波ダイナミクスでみる左右半球運動野間、視覚野間の機能結合、有効結合との関連を解析する。最終的には、半球間情報統合能や有効結合、機能結合が視覚系と運動系で相関しているかを個人特性の観点から解明を目指す。
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