2020 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular basis of neural cell response to the nutritional intake of fatty acids during development
Project/Area Number |
19H04026
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大和田 祐二 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20292211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 慶輝 東北大学, 医学系研究科, 助教 (30728887)
宮崎 啓史 東北大学, 医学系研究科, 助教 (90803867)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミクログリア / 脂肪酸結合タンパク質3型 / リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)発達期の脂質栄養が神経系に及ぼす影響を調べるため、まず高脂肪食給餌したマウスモデルを構築し、神経系細胞(ニューロン、グリア細胞)の応答性の変化について検証した。その結果、高脂肪食投与により、視床下部や海馬において、ミクログリアおよびアストロサイトの活性化が誘導されることが分かった。次にミクログリア細胞株MG6において、パルミチン酸、α-リノレン酸、オレイン酸などの異なる長鎖脂肪酸で処理すると、細胞内の脂質滴の数が増加するとともに、パルミチン酸で処理すると、他の長鎖脂肪酸に比べて細胞の貪食能が有意に増加することが分かった。 2)抑制性ニューロンや海馬錐体細胞に局在し、長鎖脂肪酸に高い結合能を有する脂肪酸結合タンパク質(FABP3)に着目し、抑制性ニューロンを取り巻くペリニューロナルネット(PNN)形成の観点から解析を行った。その結果、FABP3KOマウスでは生後海馬CA2領域でのPNNの形成が野生型に比べて変化していることを見出した。 3)上記の神経系以外にFABP3が発現するリンパ球に着目し、発達過程における細胞分化や活性化に対するFABP3欠損の影響を調べた。その結果、FABP3ノックアウトマウスでは、幼体期において皮膚炎症に関与するリンパ球の胸腺での分化、および、皮膚への局在が亢進し、成体期でアレルギー性皮膚炎を引き起こす一因となっていることを突き止めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
神経系細胞における解析では、アストロサイト、ミクログリア、抑制性ニューロンの活性化が発達期の脂質栄養によって修飾を受けることが明らかになったが、その研究過程で各種免疫系細胞も発達期脂質栄養によって、その分化や活性化に大きな影響を受けることが明らかになったのは当初良きしていない結果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
神経系細胞の解析については、今後機能脂質の同定と、細胞内シグナル伝達への関与メカニズムの解明に焦点を当てて実験を進める予定である。特に脂質滴形成やミトコンドリア機能のダイナミクスが細胞の脂質微小環境と連動しながら、神経系細胞の応答性にいかなる影響を与えるかについて焦点を当てる予定である。
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[Journal Article] Fatty acid-binding protein 3 controls contact hypersensitivity through regulating skin dermal Vγ4+ γ/δ T cell in a murine model.2021
Author(s)
Kobayashi S, Phung HT, Kagawa Y, Miyazaki H, Takahashi Y, Asao A, Maruyama T, Yoshimura A, Ishii N, Owada Y.
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Journal Title
Allergy,
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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