2023 Fiscal Year Annual Research Report
Cooking oil-derived hydroxynonenal and lifestyle-related diseases
Project/Area Number |
19H04029
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山嶋 哲盛 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (60135077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 伸二 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (10277006)
山下 竜也 金沢大学, 先進予防医学研究センター, 准教授 (30334783)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / アルツハイマー病 / 細胞死 / ヒドロキシノネナール / リソソーム / Hsp70.1 / カルパイン / カテプシン |
Outline of Annual Research Achievements |
食用油の多くはリノール酸を主成分とするが、揚げ物料理を作る際の加熱によって含有リノール酸が酸化されると、ヒドロキシノネナール(HNE)という一種の細胞毒を生じる。日本人の約4割はHNEを解毒するアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の酵素活性が弱いため、加齢と共にHNEの血中濃度が増加する。 本研究においては、リソソーム膜の安定性に関わるHsp70.1に着目して細胞死の全容を解明することで、生活習慣病に共通する原因物質を究明した。ヒトの病態を忠実に再現し実用的な成果を出すために、げっ歯類に比べて臓器の類似性が高く、遺伝子・アミノ酸配列がヒトと94%もの相同性を示すニホンザルを用いた。その結果、HNEの細胞毒性に関し以下の3点を発見した。 (1)シャペロン機能とリソソーム膜の安定化作用を持つHsp70.1がHNEによってカルボニル化されると、酸化型Hsp70.1はμカルパインによって切断され易くなる。その結果、(2)リソソーム膜の安定性が崩れるためカテプシンが放出され、脳や肝臓・膵臓に細胞死が生じる。(3)この細胞死がアルツハイマー病をはじめ2型糖尿病や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を発症させる(Yamashima et al: Adv Nutr 11:1489, 2020, Cell Mol Gastro Hepatol, 14:2022, Front Mol Biosci 9:2023, Nutrients 15:609, 2023, Nutrients 15:1904,2023, Front Aging Neurosci 15, 2023に発表)。 以上より、食用油に由来するHNEがアルツハイマー病や2型糖尿病、NASHなどの生活習慣病の原因物質であることが示唆された。本研究は食用油に起因するリソソームの異常が細胞死の原因であると結論した世界初の報告である。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Vegetable Oil-Peroxidation Product ‘Hydroxynonenal’ Causes Hepatocyte Injury and Steatosis via Hsp70.1 and BHMT Disorders in the Monkey Liver2023
Author(s)
Tetsumori Yamashima, Yurie Mori , Takuya Seike, Sharif Ahmed, Piyakarn Boontem, Shihui Li, Shinji Oikawa, Hatasu Kobayashi, Tatsuya Yamashita, Mitsuru Kikuchi, Shuichi Kaneko, Eishiro Mizukoshi
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Journal Title
nutrients
Volume: 15, 1904
Pages: 1-23
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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