2022 Fiscal Year Annual Research Report
ゴルジ体ストレスシグナルに着目した新たな老年病発症メカニズムの解析
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19H04030
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大橋 憲太郎 岐阜大学, 工学部, 准教授 (50332953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 診祐 名古屋大学, 医学系研究科, 特任准教授 (40378170)
高島 茂雄 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 准教授 (50537610)
天谷 文昌 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60347466)
内尾 こずえ 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 難治性疾患研究開発・支援センター, 主任研究員 (70373397)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゴルジ体ストレス / 小胞体ストレス / ERAD / CREB3 / CREB3L2 / FAM134B |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度より取り組んできたキク科植物由来天然物のオキシステロール結合性化合物OSW-1によるゴルジ体ストレスシグナルと誘導遺伝子について解析を進めた。とりわけ、OSW-1刺激により変動する遺伝子群とこれまでに樹立・解析してきたCREB3欠損細胞における変動遺伝子を比較検討し、CREB3などにより制御される新規ゴルジ体ストレス応答因子の同定を試みたものの、明確な標的遺伝子は見出せなかった。そこで、ATF6/CREB3ファミリーとしてCREB3L2についても検討を進めた。そのために、human CREB3L2の各種欠損・変異発現コンストラクトを作製し、TXNDC11やEDEM2によるマンノーストリミングやその後の分解制御についての検討を試みた。 また、これまでに使用してきたSEL1L欠損HEK293細胞に加えて、小胞体局在性ユビキチンリガーゼ(Hrd1, gp78など)を欠損したHEK293細胞を樹立し、ATF6/CREB3 familyタンパク質発現制御やゴルジ体ストレス応答について更なる解析を行った。同時に、ATF6/CREB3 familyとは異なる構造である小胞体局在性転写因子Nrf1タンパク質との比較として、マンノーストリミングの寄与などについて検討を行った。 更に、上記の小胞体関連分解と異なる小胞体制御機構である小胞体(ER)ファジーに関わる因子としてFAM134Bに着目し、小胞体およびゴルジ体ストレス応答能への寄与を検討したものの、無刺激およびゴルジ体ストレス(BFA)刺激下のいずれにおいても各ストレス応答へのFAM134Bの関与は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに、ゴルジ体ストレスセンサーの1つCREB3を欠損した細胞株の樹立やCREB3制御因子とされるCREBRFの試みてきた。また、ゴルジ体ストレス誘導刺激とされるユリ科植物由来天然物OSW-1によるストレス応答についても解析し、ゴルジ体ストレス応答因子の探索・同定を進めようとしてきた。その結果、CREB3を中心として、ゴルジ体ストレスセンサータンパク質の発現制御については新たな知見を得られたもののの、標的遺伝子については明確な因子の同定に至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの知見をもとに、新たなゲノム編集細胞株を樹立・解析を追加することで、新規ゴルジ体ストレス因子の解析と同定をやり直し、同定した因子の発現制御解析を実施する計画している。
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