2019 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内フローラを指標としたAI技術による全身疾患発症リスク予測システムの確立
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19H04032
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
和田 孝一郎 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (90263467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 淳 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30326037)
梅村 和夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40232912)
岡本 貴行 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (30378286)
田中 徹也 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (10346380)
結束 貴臣 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30738620)
臼田 春樹 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30707667)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔内フローラ / 全身疾患 / Artificial Intelligence / 予測システム / 臨床薬理学的アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔環境の重要性が健康長寿に関わる要因として注目されており、全身疾患発症性の口腔細菌の保菌は健康寿命を短くする要因のひとつである。口腔細菌によって誘発される重篤な全身疾患を予防するうえで、「口腔内フローラ(細菌叢)を指標とした画期的な全身疾患発症リスク予測システムの作製を行うこととした。 これまでの研究から健康な人の口腔フローラはいくつかの類似性が認められること、重度全身疾患発症者の口腔フローラは健常者と比べてそのパターンが異なることを見出した。そこで初年度は全身疾患と口腔細菌の関連性をより詳細に検討するため、弁膜症などの心疾患、消化器系の難病である好酸球性食道炎、その他さまざまな全身疾患などについて次世代シーケンサを用いた口腔細菌の網羅的解析を行った。引き続いてこれまでの研究データと本年度の一連の研究データをもとに「重度全身疾患、あるいは健康長寿をもたらす口腔フローラの確定」を試みた。初年度は本項目である重度全身疾患誘発性口腔フローラの確定はある程度めどがついたと思われる。一方で健康長寿の口腔フローラについては更なる追加の検討が必要ではないか、という新たな疑問点が見出された。さらにこれらの研究成果をもとに「各種データの重みづけを組みあわせた口腔フローラによる健康状態の定量的評価システムの作製」に取りかかった。本評価系の基本システムの構築をスタートさせ、基本データの入力、階層別解析、などを進め、「AIによるデータ解析システムのプロトタイプ」の作成にこぎつけた。本来の研究計画より多少早めにシステムの構築を始めることができたが、現在構築している解析システムはあくまでプロトタイプであるため、今後、実際のトライアル的運用などを含めてより詳細な検討が必要になると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた「重度全身疾患誘発性口腔フローラの確定」はある程度めどがついたと思われるので、この点は予定通りの進捗であると思われる。一方で「健康長寿の口腔フローラの確定」については、当該年度に研究施設の大規模改修が行われたこと、ならびに2~3月に新型コロナの影響のため研究の遅延および最終確定のための研究打ち合わせが十分にできなかったことなどからこの部分では多少研究計画より遅れている、と判断した。また次年度に予定していた「AIによるデータ解析システムのプロトタイプの作成」については、初年度中に構築がスタートできたこと、実際にある程度のプロトタイプが構築できたことより、研究計画よりも進んでいる、と判断した。これに加えて、その他の研究に関してはおおむね研究計画通りに進捗していると判断した。 以上のようにこれまでの成果を総合的に判断した結果、初年度の研究については「おおむね順調に進展している」、という判断に至った。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度中のまでの研究により「重度全身疾患をもたらす口腔フローラ」がほぼ明らかになってきた。次年度は「健康長寿に関わる口腔フローラ」の確定に向けて追加の検討を行う。予定である。健康長寿に関わるフローラに関しては次世代シーケンサを用いた解析により検討する。この次世代シーケンサを用いた解析によって集積されたデータをもとに、コンピュータによる統計解析を行う。このフローラのパターンがある程度明らかになった段階で、AIによるデータ解析システムの構築を始める。すでに初年度の段階でデータ解析システムのプロトタイプを一部作成しており、実際のデータをこのプロトタイプに取り込ませて解析を行う予定である。この解析・検討における有用性が確認された場合には、この系を拡大させて本格的なシステム構築を目指すものとする。一方で有用性が低い場合には「プロトタイプに改良を加える」、あるいは「新たなプロトタイプの再構築を行う」、などの柔軟な対応を行うものとする。この一連のシステム構築作業と有用性の確認は、共同研究を行っているERISA と研究代表者、ならびに研究分担者が加わることにより総合的に行う予定である。 この様に研究2年目は上述の段階まで研究を進める予定であるが、研究の進捗状況を勘案してさらに進展させる場合もあり得ると考えている。
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Remarks |
島根大学医学部薬理学講座 https://www.med.shimane-u.ac.jp/pharmacology/
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Efficacy and safety of PERIOdontal treatment versus usual care for Nonalcoholic liver disease: protocol of the PERION multicenter, two-arm, open-label, randomized trial.2020
Author(s)
Kamata Y, Kessoku T, Shimizu T, Kobayashi T, Kurihashi T, Sato S, Kuraji S, Aoyama N, Iwasaki T, Takashiba S, Hamada N, Kodama T, Tamura T, Ino S, Higurashi T, Taguri M, Yamanaka T, Yoneda M, Usuda H, Wada K, Nakajima A, Minabe M.
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Journal Title
Trials
Volume: 21
Pages: 291
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Efficacy, safety, and tolerability of lubiprostone for the treatment of non-alcoholic fatty liver disease: The LUBIPRONE, double-blind, randomized, placebo-controlled, phase II study.2019
Author(s)
Kessoku T., Imajyo K., Ogawa Y., Wada K., et al.
Organizer
International Liver Congress / 54th Annual Meeting of the European-Association-for-the-Study-of-the-Liver (EASL)
Int'l Joint Research
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